「個人間カーシェア」は日本で普及するのか 「所有から共有」への流れに対する期待と課題

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ただし、この分野は現在、旅客や自動車に関わる各種の法律においてはっきりと明文化されておらず、正式な許認可制度は存在しない。そのため、CtoCカーシェアを行う場合、事業者は国土交通省など関連省庁と直接交渉し、個別案件について協議を進めるという形を取っている。

AnycaとGO2GOについては、こうした関係省庁との協議を経て事業化しているが、ベンチャーが手がける各種CtoCカーシェアの中には、関係省庁とほとんど協議せず、事業として未完成のまま運用されているケースがあるのが実態だ。

Anycaの組織変更がきっかけに

日本でのCtoCカーシェアの現状を把握するため、9月7日に都内で開催されたAnycaの誕生4周年パーティーを取材した。新交通ゆりかもめの日の出駅の近く、元印刷工場を改装したイベントスペースにはクルマの貸し手と借り手が合計約100人集まった。

「Anyca」の誕生4周年パーティーには多くの利用者が集まった(筆者撮影)

筆者はAnyca立ち上げ当時からこれまで定常的に、ディー・エヌ・エー幹部に対して取材や意見交換を行ってきたが、今回のパーティー現場では最も強く感じたのは「コミュニティーとしての雰囲気がさらによくなってきた」という点だ。その背景にあるのが、Anycaの組織変更である。

ディー・エヌ・エーは2019年2月、SOMPOホールティングとCtoCカーシェア事業に合弁会社「DeNA SOMPO Mobility」の設立で合意して、その後にディー・エヌ・エーから同社にAnyca事業を移行した。

Anycaではこれまでも、共同使用契約に基づいて保険会社と独自の保険制度を開発して運用してきたが、「SOMPOホールティングとの関係が深まったことで、(CtoC事業としての)勝ち筋が見えてきた」(Anyca事業責任者の馬場光氏)という。近い将来、本人が契約している保険を活用する他車運転特約など、貸し手にとってメリットが大きい保険商品の導入を開始する予定だ。

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