37歳男「恋愛リアリティショー」の果てに得た物

バチェラーが語る「オワコン化しない」生き方

転機となったのは35歳のとき。友人から「バチェラーに出てみないか?」と声をかけられたのがキッカケだ。軽い気持ちでオーディションを受けたが、過去の恋愛の話、資産額、語学力と想像以上に審査は入念なものだった。それでもバチェラーの話を聞くうちに、徐々に湧き上がる好奇心は抑えられなくなった。

「実は1stシーズンを観ていなかったし、最初は『僕が出るなんて……』とピンとこなかったんです。でも実際に話を聞いて番組も観てみると、僕の中の自分自身を表現していきたいという思いにも重なるし、恋愛や結婚というテーマについても真剣に考えるいいチャンスだと感じるようになりました」

しかし、いざ出演となると問題があった。3カ月の撮影期間中、出社はもちろん、まったく仕事ができないという点だ。

「3カ月会社休めます?と聞かれてすごく悩みました。責任者だし、部下も大勢いるし……。でも、新卒から約144カ月の間、会社のために働いてきたわけで、そのなかの3カ月ぐらいならいいんじゃないか、と。なによりも迷っている時点でそれは『やりたい』ってことなんですよね(笑)。こんなチャンス、もう来ることはないと思いましたし」

葛藤の末、小柳津さんは3カ月のバケーションをとるとともに、公開型婚活「バチェラー」に参戦することを決意した。

「下手に『仕事に生かせるかもしれない』とかは考えず、ただただ自分のために出演することに決めました。とにかく、真剣に目の前の女性と向き合うことに一心不乱になることにしましたね」

恋愛リアリティーショーの果てに

いざ撮影が始まるとその日々は、想像以上にハードだった。

「タイトなスケジュールでシンガポールや沖縄、さまざまなロケ地を回らなければいけないので、体力的には結構しんどかったですね」と語る小柳津さん(撮影:澤田聖司)

「タイトなスケジュールでシンガポールや沖縄、さまざまなロケ地を回らなければいけないので、体力的には結構しんどかったですね、撮影中はもうハイになってましたけど(笑)。毎回、複数の女性の中から残ってもらう女性を選んでいくのも、つらかった」

毎回、番組の最後には「ローズセレモニー」なるものが行われ、小柳津さんが選んだ女性にはバラが渡される。バラをもらえなかった女性はその場で退場。別れの言葉とともに去っていく女性の背中は寂しく、残酷だ。

その攻防はぜひ「バチェラー」本編にて確認してほしいが、結論から言うと現在、小柳津さんは独身で交際している女性もいない。小柳津さんがバチェラー出演で得たものとはなんだったのか。

「1つのことに真剣に向き合う時間ですね。ぼく30歳のときに婚約者がいて、いろいろあって別れてしまったのですが、その後は女性と向き合うことをどこか避けていたんです。バチェラーでは自分の恋愛観を改めて見つめ直せたし、みんなで1つのものを作り上げるという意味では、演劇のことしか考えていなかった頃のような熱狂も感じました」

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