詐欺まがいの婚活に疲れ果てた男性の一大転機 自治体の婚活支援で結婚した人のリアル

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「ビジネスっぽいものやシステム的なものに頼みたいとは思えませんでした。また何か売りつけられたら嫌なので……」

そんな智弘さんに意外な方面から救いの手が差し伸べられる。豊橋市の結婚支援事業だ。

ほかの多くの自治体と同じく、豊橋市は婚活支援を行っている。ユニークなのは、市民から「婚活サポーター」を募り、ボランティア活動として縁結びを支援していること。各サポーターが自主的にお見合いを組んだり婚活パーティーを開催したりする一方で、身近な独身者のプロフィールを本人の許可を得たうえで登録し、それを他のサポーターと共有してマッチングを行う取り組みも進んでいる。昔ながらの「世話焼きおじさん&おばさん」を自治体がバックアップして地域に復活させる試みと言えるだろう。

「あなたに合いそうな女性が2人いる」

昨年9月に智弘さんは知人の女性サポーターから登録を促された。そのわずか3日後に電話があり、「あなたに合いそうな女性が2人いる」と伝えられた。プロフィールを確認したところ、2人とも40代後半。智弘さんは少し迷ったと正直に告白する。

「もっと若いほうがいいなとは思いました。でも、せっかくのご縁なので2人とも会ってみたいと伝えました」

膨大な会員情報を持つ結婚相談所に登録していたとしたら、例えば「30代の未婚女性だけを紹介してください」と要望を出すことも可能だ。担当者は仕事だと割り切り、内心難しいとは思いながらも最善を尽くすだろう。だが、ボランティアの場合は話が異なる。わがままを言う人に付き合う義理はないからだ。智弘さんのように「ご縁をありがたく受け取る」姿勢が必要となる。

結果として、この姿勢が功を奏した。1人からはお見合い自体を断られたものの、もう1人とはすぐに会うことができたのだ。その女性が後に妻となる志保さん(仮名、49歳)。智弘さんは初対面の感動を興奮気味に語る。

「最初から意気投合しました。波長が合っちゃったんですね。旅行、音楽、時事問題。どの話題でも話が合ったのです。お互いに話し上手、聞き上手ですから」

水を差すわけではないが、プライベートにおいて誰に対しても「話し上手、聞き上手」な人は存在しないと思う。そんな人がいたとしたら、智弘さんが何度も体験したデート商法を疑うべきだろう。2人が初対面で楽しく語り合えたのは、幸運にも「波長」が合ったからにほかならない。

とにかく感動した智弘さんは積極性を発揮した。「もし僕でよければ、また会ってほしい」とその場で次のデートを申し込み、翌週も志保さんと会うことに成功。3回目では「結婚前提に付き合ってほしい」と告白した。志保さんの答えはYES。中途半端な気持ちで交際するつもりはないのでうれしい、とのこと。

次ページ智弘さんにとっての「当たり前」
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