純烈・小田井「40代で花開いた」堅実なキャリア

「夢は紅白出場、親孝行」の次に目指すもの

結成から10年。昨年には悲願の紅白出場も果たし、全国各地で行われるライブやディナーショーに飛び回る多忙な日々を送る。オフと呼べる日はほとんどない。

しかし、ここまでくる道のりは決して平坦なものではなかった。唯一のレギュラー仕事だったキャバレーの営業で、客に土下座を強要されたこともあるという。男性客の気持ちをつかむために、オネエキャラに徹した時代もあった。

オネエキャラ時代(写真:OCEANS)

「辞めようかなって思ったことは、いっぱいありますよ。それはきっとメンバー全員じゃないかな。でも応援してくれる人が多からずともいたから、ファンに対して何も結果を残すことがないままでいいのか、失礼じゃないかっていう自問自答がつねにありました。僕の中で『もうしんどいから』っていうのは、人前に出せる理由じゃないから」

『辞める』には人前に出せるだけの、ファンが納得できるだけの理由がいる。“つまらなかったら辞めよう”。そう思って飛び込んだ『純烈』の活動を10年以上続けられたのは、応援してくれるファンの存在と意地があったからだった。

「つまんないままで終わったら自分の選択が間違っていた気がして悔しいじゃないですか。だから結局、面白くなるまでやっちゃうんですよね(笑)」

「やってきたことは嘘をつかない」

小田井さんが「芸能界は向いてない」と思いながらもここまで続けてこられたのは、「やってきたことは嘘をつかない」という信念が根底にある。

(写真:OCEANS)

「真面目に取り組んでるかどうかって、見てるお客さんも同じ業界の人にも伝わるじゃないですか。僕自身、観客側に立ったときにはすぐわかるんですよ。あ、この人はすごい努力してるなと。普段はふざけてても、ここは決めなきゃというときにきっちりできる人間でいたい。向いてなかったとしても、真面目に努力し続けることはできますから」

たとえ自分にとって決して得意とは言えないことでも、真剣に取り組んだということは形として残る。メンバーそれぞれの個性やバランスも、小田井さんは冷静に俯瞰していた。

「僕らはグループなので自分ばかりが前に出てもいけないし、一歩引いて我慢することも一つの努力だと思っています。僕たちは曲も自分たちで書いているわけじゃないし、与えられたもののなかでどれだけ頑張れるかしかない」

長い下積み時代を経て、売れっ子になった今も決しておごらない。だからこそ現在の地位を小田井さんは獲得したのだろう。

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