「ダウ暴落、1ドル=65円時代が来る」と読む理由 NY在住「伝説のトレーダー」若林栄四氏に聞く

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では、今回のバブル崩壊をいつと見るかですが、非常に長い歴史観からすれば、過去のバブル高値の起点は、暗黒の木曜日と言われた1929年の大暴落の直前であり、そこからの黄金律として、正五角形の高さに関連する59と、それを分解した36.5の和である95.5年後に該当する2024年が、今のバブル崩壊後の大底と考えられます。

それはつまりNYダウが大底を打つタイミングでもあります。

NYダウの上昇は、大局的に見ると1982年8月の底値である770ドルから始まりました。その36.5年後は2018年であり、NYダウは2万6951ドルの高値を形成しました。その後、NYダウは年末年初の大きな調整を経て再び上昇相場に転じ、2019年7月16日には2万7398ドルの高値を形成しましたが、黄金律から見た実質的な高値は、2018年10月につけた2万6951ドルであると考えられます。そこから黄金律に基づいて計算すると、2024年のNYダウ安値は、8701ドル~1万2201ドルと考えられます。

たとえドルでも安泰ではない

当然、これだけNYダウが下落すれば、ドルも売られます。

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ただでさえ、今の外国為替市場には、巨額な円売りポジションが滞留しています。というのも、円で運用しても金利がつかないため、日本の金融機関、機関投資家が円で調達した資金を売ってドルに替え、外国株式や外国債券で運用しているからです。その額は2018年9月末で473兆円にものぼります。

このように、世界中に滞留した円売りポジションが、数十年に一度、大爆発することがあります。直近の例では、1995年4月の1ドル=79円75銭が典型です。このときは95円を割れたあたりから、世界中の円売りポジションの巻き戻しが始まり、最後は東南アジアの中央銀行が猛烈な円買いを仕掛けたことで、急激な円高が進みました。

今も世界中に巨額の円売りポジションがあることから考えると、どこかの時点で円売りポジションの強烈な巻き戻しが行われる可能性は十分にあると思います。NYダウの急落がその引き金となり、株価がボトムに向かう途中の2023年あたりに向け、1ドル=65円が示現するというのが、私の大局的な相場観です。

鈴木 雅光 JOYnt 代表、金融ジャーナリスト

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すずき・まさみつ / Masamitsu Suzuki

1989年岡三証券入社後、公社債新聞社に転じ、投信業界を中心に取材。2004年独立。出版プロデュースやコンテンツ制作に関わる。著書に『投資信託の不都合な真実』、『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』等。

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