逆走シーサイドライン、自動運転「再開」で安心?

衝突事故から3カ月、予想よりも早かった復旧

6月の事故以来有人手動運転を行っているシーサイドライン(編集部撮影)

横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」で起きた自動運転列車の逆走事故から約3カ月。運行会社の横浜シーサイドラインは8月27日、事故以来中止していた自動運転を31日の始発から再開すると発表した。

過去30年間無事故だった新交通システムで起きた「想定外」の事態に、当初は再開の見通しが立たなかった無人自動運転。国土交通省の検討会で安全対策の有効性が確認された7月中旬の段階でも「改修に必要な部品の調達に時間がかかる」(シーサイドライン)として再開時期は未定だったが、予想より調達が早く進んだことでメドが立った。

原因については運輸安全委員会の調査が続くものの、自動運転の再開は1つの節目となる。

断線を検知できず

事故は6月1日の夜8時15分ごろ発生。始発駅の新杉田を発車した折り返しの電車が本来の進行方向とは反対側に動き出し、約24m走って車止めに衝突、乗客17人が重軽傷を負った。衝突時の速度は時速25kmに達していた。

シーサイドラインによると、5両編成の事故列車のうち1号車(衝突した側とは反対の先頭車両)で、列車の進行方向をモーターの制御装置に伝える2本の配線のうち1本が断線していたことが判明。列車が折り返して発車する際、進行方向が制御装置に正しく伝わらず、逆向きに走り出したとみられる。

2本の配線は「F線」「R線」と呼ばれ、どちらに電圧がかかっているかの組み合わせで前進・後進の向きを伝える仕組み。国内で無人自動運転を行う他社の車両は、断線などで両方とも電圧がかからない状態となった場合は加速できなくなるが、シーサイドラインの車両はそれまでの進行方向を維持する仕様だった。

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