トヨタ「15代目クラウン」発売1年後の通信簿 販売動向や顧客層はどのように変化したのか
トヨタは、カローラスポーツとともに初めてとなる車載通信機を新型クラウンにも搭載することによりコネクティビティ機能を採用したが、そうした先進性以前に、クルマとしての根本的な成熟度を大いに高めたのが新型クラウンであった。そして、ロイヤルシリーズ、アスリートシリーズ、マジェスタと区別する必要性をもはや思い至らせなかったのである。
新型クラウンのそうした挑戦は、販売面でも顧客の支持を得た。一般社団法人日本自動車販売協会連合会(自販連)の乗用車ブランド通称名別順位によれば、発表発売の翌7月に、対前年同月比333.4%増となる7225台を販売した。
それ以後も今年5月まで約200~300%台の対前年同月比を保持しながら高い水準で売れ続け、発売から1年間の合計は、5万9883台となった。これは、自販連の1~12月の1年間の販売順位で、14位相当の成績とみることができる。また、月平均で約4986台という計算になり、これは新型クラウン発表の折にトヨタが計画した月販4500台という数字を上回っている。
高級4ドアセダンでは“独り勝ち”
さらに、自販連の統計にある、1~6月の集計で2018年の同期間と今年の成績を比較してみると、2018年の1~6月は従来車種であったため、半年間の販売台数は1万2344台で対前年同期比76.5%とマイナスであったが、今年の1~6月は2万1853台で対前年同期比177.0%の増加に転じている。その点からも新型投入の成果を伺うことができる。
クラウンの競合車種と目されるのは、日産自動車のフーガ、ホンダのレジェンドあたりになるが、それらは自販連の50位までの順位にまったく名が出てこない。国内における高級4ドアセダンでは、クラウンの“独り勝ち”が明らかだ。
価格帯では、クラウンより100万円ほど下に位置するが、アメリカでの乗用車販売で長年にわたり1位を得てきたカムリは、クラウンより1年前の2017年にフルモデルチェンジをしている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら