深田恭子「20年主役を演じる」圧倒的したたかさ カワイイ文化を牽引した「奇跡のアラフォー」

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思えば、これ以降、日本は「カワイイ文化」が異様に発達した。女の子たちだけでなく、男性自身もカワイイを追求できるようになった。男らしくしなくていい、メイクもして女装もできる。あ、もちろん、昭和の時代からすでに追求されている先達(キャンディ・H・ミルキィさん)もいたけれど、平成後期はさらにあまねく広まり、ジェンダーレスにカワイイを追求・表現できるようになったのだ。と考えると、深キョンの功績は大きくないか? 日本のカワイイ文化の発展に貢献した功労者でもある。

深キョンが輝く着せ替えシリーズ

もちろん、女優としてはいつまでもカワイイだけでいいんかい、というツッコミもある。あるけれど、もうこれはこれで「他女優との差別化」という戦略に。「不変」と「キョトン」と「カワイイ」の矜持をいつまでも持ち続けてほしい。最終的には大屋政子を目指すくらいの気持ちで。

ちなみに、深キョンが心から楽しそうに演じていたドラマを挙げるなら、大富豪のお嬢様が刑事として活躍する「富豪刑事」(テレ朝系)、専業主婦が変装して潜入調査をする「専業主婦探偵 私はシャドウ」(TBS)あたりだ。どちらもお着替え満載、ある種コスプレ要素も大きいドラマだ。

個人的に最も好きだったのは、「セカンド・バージン」(NHK)である。夫(長谷川博己)を年上の女(鈴木京香)に奪われ、精神のバランスを崩すものの、最終的には夫を見限って、自分の足で人生を歩き出すという妻の役だった。重い女×キョトン×無表情×悪意の最凶方程式は適役だった。

「ルパンの娘」が今夏ドラマの話題をかっさらってはいるのだが(視聴率ではなく、あくまで話題性)、次の深キョン登板ドラマははたしてどうくるかな。期待もしなければ絶望もしない。深キョンに対しては、そんな心持ちである。

吉田 潮 コラムニスト・イラストレーター

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よしだ うしお / Ushio Yoshida

1972年生まれ。おひつじ座のB型。千葉県船橋市出身。法政大学法学部政治学科卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。2016年9月より東京新聞の放送芸能欄のコラム「風向計」の連載開始。テレビ「週刊フジテレビ批評」「Live News it!」(ともにフジテレビ)のコメンテーターもたまに務める。

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