「憎む前に離婚」現代夫婦のリアルな決断理由

浮気"疑惑"時点であっさり離婚する人も…

その後、彼女は今までのことを全部さらして裁判にしてもいいと夫を脅した。

「住んでいるマンションのローン、月々の養育費を払うことを条件に追い出しました。養育費はむずかしいだろうなと思っていたけど案の定、すぐに滞りました」

子どもたちは14歳と12歳。家族3人の生活になった。彼女はひとり暮らしをしていた実母に助けを求めた。

「母が家を処分して同居してくれることになって。そのお金もあったので、もう夫には養育費の請求はやめました。気分が悪いだけなので」

以来10年、彼女は必死で働いてきた。残業も出張もこなした。上の娘がそんな母親に反発した時期もある。

「思いあまって元夫に娘が連絡したことがあるらしいんです。父親が恋しかったのかもしれない。そうしたら元夫は『オレ、もう関係ないし』と言ったんですって。それを聞いて娘は、『おかあさんはどんなに忙しくても、私に冷たくしたことはない』と思ったそうです。それから娘は変わりましたね。今は大学を出て、自分の好きな道へと歩き出しました」

息子は現在、専門学校を出て、これまた好きな料理人の道へ。

「子どもたちには寂しい思いをさせたかもしれないけど、ほかに選択肢はなかった。あのまま我慢して結婚生活を続けていたら、今ごろ私が壊れていたと思います」

我慢のかわりに努力をした。それが今の平穏な生活に結びついている。

こじれる前に別れる新スタイル「憎む前離婚」

最近、ときどき聞くようになった、もっとも「イマドキ」な離婚は、「憎む前離婚」かもしれない。

夫婦関係は時間とともに変化していく。まだ嫌いではないけれど、「この先、一緒にいても楽しくなくなる」「きっとそのうち憎むようになる」。そんな芽が出かかったときにいち早く離婚してしまうのだ。つまり、愛情がなくなった瞬間に、物理的にも精神的にも離れる決断を下すのである。

理屈でいえばもっともなのだが、普通はこれができないから、憎んだり関係をこじらせたりして、結果、子どもとの親子関係までおかしくなってしまうことが多いのではないだろうか。

14歳と10歳、2人の子を抱えて、同い年の夫と2年前に離婚したのはチグサさん(46)だ。下の子が生まれてから、夫婦関係が変わっていった。

次ページ夫が家にストレスを持ち帰るように…
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