「憎む前に離婚」現代夫婦のリアルな決断理由 浮気"疑惑"時点であっさり離婚する人も…

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夫はあわてて彼女の実家にやってきたが、アキさんはストレス源となった夫を許容しようとはしなかった。

「うちの親でさえ、もう1度やり直してみたらと言ったけど、私は時間のムダだと断言しちゃいました」

離婚して3年、夫はときどき娘に会いにくる。それは彼女も拒絶しない。夫婦ではなく、娘の親同士としてなら付き合っていけるかな、と思っている。

10年の歳月をかけての「計画離婚」

結婚したときは「いい人」だったのに、子どもができるたびに家庭を顧みなくなっていった夫。

そんな夫に絶望したシズカさん(50)だが、当時(31)は専業主婦。離婚したら生活できない。それでも、このまま夫に好き放題されるのは悔しい。そこで彼女が考えたのは「10年計画離婚」だ。とにかく経済力をつけ、離婚後の生活を安定させるための10年間だ。

まず、4歳と2歳の子どもたちを保育園に預けて、近所のスーパーで働き始めた。独身時代は大手企業で人材教育の仕事をしていたが、しばらく離れていたので元の会社には復帰できない。とりあえずはそのスーパーで社会復帰を試みた。だが、見る人は見ている。彼女の陰ひなたなく働く姿に、昼食を買いに訪れていた近くの会社幹部が目をつけた。

「うちの会社にスカウトしたいと言ってもらって。契約社員として雇ってくれました。1年後には正社員に。人事関係の仕事でしたから、かつての経験も生き、いろいろ勉強もさせてもらいました」

彼女自身も自腹を切って人材教育のセミナーに通い、勉強を重ねた。そのときの講師の考え方に感化され、自分から弟子入りを希望したという。

「弟子なんてとっていないと言われましたが(笑)、その先生のところへ通って、お話を聞かせてもらうようになったんです」

仕事に家事に育児に勉強。30代は本当に身体も脳もフル活動だったと振り返る。同時に生活費を節約し、必死でお金も貯めた。そしてついに40歳のとき、中途採用の募集をしていた大手企業に正社員として入社した。

「1年間しっかり働いてメドが立ったので、ついに夫に離婚届をつきつけました。あの瞬間、本当に気持ちがよかった。10年間、夫とはつかず離れずの関係でしたが、その間も浮気しているのはわかっていたし、ボーナスだって半分は好きなように使っていたし。それでも我慢していたのは自分の経済的安定を確保するため。離婚したら、きっと1銭も出さないだろうと思っていたから」

離婚届をつきつけられた夫はうろたえた。妻が働き始めたのは知っていたが、まさか離婚まで考えているとは思っていなかったのだろう。男の考えはいつも甘いのだ。

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