親による「誘拐」が容認されている日本の異常

なぜ離婚後の共同親権が認められないのか

別の日本人の父親は5年前に妻がふさぎ込み、生後6カ月の子どもを連れて実家に帰ったという。彼は急いでそこへ向かったが、息子に会うことが許されたのはたったの4時間。そしてその後は1年7カ月もの間、息子に会うことができなかった。

父親は養育費を支払っているが、父親が子どもに会えるのは月に1回、2時間。父親は裁判所で親権を求めたが、裁判官は、母親の行った連れ去りは違法ではなく、母親に引き続き監護養育を継続させることが子の福祉に合致するとして、彼の求めを拒否した。妻が再婚した場合、彼女の新しい夫は、子の父親の同意なしに子の親権者となることができる。

この2人の父親のケースは、日本で何千件と生じていることの一例にすぎない。

マクロン大統領に窮状を訴えたフランス人

こうした連れ去りでは、多くの場合、別居を通じ、子どもを連れ去られた親は子へのアクセスを失う。連れ去った親は事実上、残された親への訪問をどの程度許可するか、あるいは、訪問を認めないかなども決めることができる。連れ去った親が面会を拒否した場合、残された親が面会権を得られたとしても、1カ月2、3時間、場合によっては連れ去った親の監視下など、とんでもなく厳しい条件下での面会となる。親権や面会をめぐって係争中の場合は、面会はさらに制限的にしか認められないことが多い。

一方、日本で事実上容認されている連れ去りは、海外でも大きな問題となっている。6月26日、G20に先駆けて東京のフランス大使館でスピーチを行ったフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、フランス人男性3人と面会した。いずれも、子どもが日本人妻に連れ去られたと主張している父親だ。1人は、元妻から送られてきた子どもの写真を持ってきていた。写真では子どもが両手を高くあげ、父親から送られた誕生日プレゼントを持っている。ただし、プレゼントの封は開けられていないままだ。

別の父親はマクロン大統領に、去年の夏のある夜に帰宅すると、家にはベッドと洗濯機、そして自分のパスポートしか残っていなかった、と話した。2人の子どもは妻に連れ去られてしまっていた。妻は家庭内暴力を訴えてシェルターに数週間避難していたのだ。もっとも父親はこれを否定している。

その父親は子どもたちが連れ去られたことを警察に報告した。そこで警察官に告げられたのは、それは「プライベート」な対立であり、警察の管轄外だということだった。だが仮に彼が子どもを取り戻そうと連れ去った場合、彼は誘拐で逮捕される。つまり彼はもう2度と子どもに会えないかもしれないということだ。

妻が昼間にひっそりと家に帰っていることに気づいた彼は、家とその周辺にくまなくカメラを仕掛けた。彼は録画された映像で、妻が7カ月の娘を車のトランクに閉じ込めているのを確認。だが、児童保護センターはそのビデオを受理するのを断った。

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