「楽しい席」を盛り下げてしまう人に欠けた視点

退屈な話でも「感じよく」反応したほうがいい

例えば、こういう経験はないでしょうか?

仕事でも恋人や友人との場面でもいいですが、相手の話に対してしっかり相づちを打っていたのに、「本当にわかってるの?」と問い詰められたこと。いったんこうなってしまうと、これに「わかってるよ」と答えても「いや、わかってない!」とさらに言われてしまったりするものです。

こうなる大きな原因の1つが、相手の話と聞く側の感情のトーンが合っていないこと。

例えば、深刻な話をしているのに聞き手がのんきに見えたら、言葉だけでいくら「はい、わかってます」と言われたところで、話し手は信用できないのです。深刻な話はやはり深刻に聞かなければいけません。

とくに日本人の中には、「話を真面目に聞く」ということの意味を勘違いしているのか、相手が楽しい話をしても悲しい話をしても、ずっと表情を動かさず真面目な顔で聞いてしまっている人がいます。動かない表情と平板な声の調子は、むしろ話を真面目に聞いて“いない”サインになりかねません。注意しましょう。

話し手の期待する反応を心掛けること

また、相手と感情のトーンを合わせたら、さらに一歩進んで、相手の期待する反応をしていくことを心掛けてみましょう。つまり、自慢話には感心し、冗談には手をたたいて笑い、愚痴を聞いたら「それはひどいですね」と同情するのです。

これは、話し手に「安心感」を与えるためです。

「聞き手の反応がいい」あるいは「何を話しても受け入れてもらえる」という安心感は、話し手を饒舌にします。お笑い芸人も、よく笑う観客の前では、いつも以上の力を発揮するでしょう。それと同じ環境を話し手に提供するわけです。

ただし、正直な話、この際にいちばん問題になるのが聞き手である私たちのメンタルでしょう。

このように意識的にリアクションするというのは、ときにうんざりする作業です。とくに、こちらにとってたいした話でもない場合、なんか相手のご機嫌を取っているだけのような釈然としない気分になることもあるかもしれません。

しかし、「ここぞ」というときに話を盛り上げる必要があるのなら、そこの壁は乗り越えてしまうべきです。とくにそれで仕事のうえなどで有利になるのであれば。

筆者自身、それを痛感する出来事がありました。失敗談です。

昔、ビジネス系のライターをやっていた頃に、一部業界で有名なカリスマ経営者をインタビューしたことがあります。その経営者とは初対面だったのですが、彼は冒頭の軽い雑談の際、急に胸の筋肉を動かして見せ、「ウエイトトレーニングをやっているんだ」と言いはじめました。

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