「楽しい席」を盛り下げてしまう人に欠けた視点 退屈な話でも「感じよく」反応したほうがいい
誰かと話していて、どうも会話が盛り上がらないということはあります。
話がかみ合わず、合間合間で生まれる無言の時間。お互いに無理をしているのがわかるだけに非常につらいものです。
とくに、これが仕事の場合、無理にでも話を盛り上げて、相手との距離を近づけておきたいという場面はあるでしょう。こうしたとき、純粋に技術的に盛り上げるのならば、どのような方法があるのでしょうか?
言っておきますが、「絶対に盛り上がる話のネタ」みたいなのを用意しておいて、それに頼るのは、あまりお勧めしません。どんな面白い話もハマる人とハマらない人がいるからです。
それよりは、1つのことを意識してみましょう。それは、自分が楽しく話をするのと、相手と話が盛り上がるのは、まったく別だということ。
つまり、話を盛り上げるだけなら、なにもこちらが無理をして話をする必要はないのです。むしろ、聞き手のポジションに回って相手に気分よく話をさせるほうがはるかに効率的でしょう。
大原則「聞き手が絶対有利」
そこで重要になるのが「聞き方」です。
本連載では、連載の性質上、話し方についてばかり解説してきましたが、実際のコミュニケーション・交渉において、「聞き方」というのは、話し方と同じくらいに重要です。
これは大原則ですが、あらゆるタイプの話し合いにおいて主導権を握るのは、話す側ではなく、つねに聞く側です。
実際、かの西洋哲学の祖・ソクラテスも、「自分は何も知らない」と公言して、自分からはなにも積極的には主張せず、意識的に「聞く側」に立って質問をしていくことだけで、国中の賢者を次々と論破し、哲学の世界を制覇していったといいます。