「楽しい席」を盛り下げてしまう人に欠けた視点

退屈な話でも「感じよく」反応したほうがいい

この「話し合いでは、聞く側に主導権がある」という考え方は、交渉・説得・論争で勝つために非常に大切になるものなので、ぜひ覚えておいてください。

そして、このことは「話を盛り上げる」という観点においても然り。

繰り返しになりますが、話が盛り上がるかどうかは聞く側の「聞き方」次第です。

それも、正しい聞き方を身につければ、単に話を盛り上げるだけでは終わりません。盛り上げるところと、そうでないところを意識的に作ることで、話の流れ自体をコントロールすることまで可能になるでしょう。

このレベルまでくれば、コミュニケーションも達人の域に近づいてきます。

とはいっても、本連載がベースに置くギリシャ・ローマ時代の弁論術は、相手について知ることの重要性は説きますが、そのために必要となる具体的な「聞く技術」については、ほとんど何も書き残していません。しかし、現在では弁論術的な、あるいは心理学的な研究も進み、そのピースも埋まっています。

今回は、現代に生かす弁論術として万全を期すために、聞くための知識、とくに話を盛り上げるための知識を皆さんとシェアしたいと思います。これは、聞く側が相手の話をコントロールするための基本にもなります。

結論から言えば、話を盛り上げるために、必要なことをまとめれば基本的には次の2つになるでしょう。

1、話し手と感情のトーンを合わせること
2、話し手の期待する反応を心掛けること

1つずつ見ていきましょう。

話し手と感情のトーンを合わせる

聞くことで話を盛り上げるには、当然話し手に気分的にノってもらわなければなりません。そのためには、話し手に「聞き手に伝わっている」「わかってくれている」という実感を与えることが大切。この実感があればあるほど、話し手はノリます。

そのために必要な作業が、話し手と感情のトーンを合わせること。

要は楽しい話は楽しそうに聞き、悲しい話は悲しそうに聞き、深刻な話は深刻そうに聞くのです。

というのも、話し手というのは自分の話が伝わってるかどうかを、聞き手の表面上の受け答えよりも、相手の表情やあいづちの声の調子といったトーンから判断するものだからです。

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