「楽しい席」を盛り下げてしまう人に欠けた視点 退屈な話でも「感じよく」反応したほうがいい
筆者も「そうなんですか。すごいですね」などと言ったのですが、今考えるとリアクションが足りなかったようです。その経営者は手ごたえを感じなかったのでしょう。さらに自分が某スポーツ団体の顔役であること、高級車を何台も乗り回していること、奥さんが某花形業界の人だったこと、留学時代に某アメリカ大統領経験者と友人だったことなど、本題に関係のない自慢話をまくしたててきます。
筆者も若かったので、こうして畳みかけられる自慢話に、瞬間的に反感を持ってしまい、徐々に素直に感心したような態度がとれなくなってしまいました。
すると、相手の経営者のほうもちょっとずつテンションが落ちてきてしまい、本題について話し始めるころには、どうも元気がなく、結局話も盛り上がらず、こちらが焦ることになったのです。
このときの筆者の失敗の原因は明らかでしょう。
若き日の筆者が自分の一時の反感に負けて、自慢話に対して期待する反応をしなかったために、「今日の聞き手は反応が鈍い」と話し手を不安にさせてしまったのです。それで話し手の舌を鈍らせてしまった。
本来は、考える前にすかさず「それは、すごいですね!」と言ってしまうぐらいでよかったのです。それで、話し手も安心して自分の話にノれたはず。
確かに、このような、あからさまに感心されたがっている自慢話、あからさまに同情を引こうとしている愚痴、あからさまに笑わせにきている笑い話というのは、ときに聞いていてうんざりします。
しかし、こう考えてはどうでしょう?
こうしたあからさまな話は、求めるリアクションが明確な分、イージー・ゲームだと。「ここぞ」というときに、相手に安心感を与えられて話が盛り上がるのなら、ちょろいもんなのです。
ここから先の技術は…
今回は、話を盛り上げるためのベースとなる心得をご紹介しました。
しかし、この「話を盛り上げる」という段階は、聞く技術にとっては序の口。
むしろ本番はここからです。
前半でも少し書きましたが、同じ話を盛り上げるのでも、漠然と盛り上げるだけでなく、こちらが聞きたい話・有利な話だけを選んで盛り上げ、話の流れをコントロールできてこそ一流なのです。
そこで、次回は、相手の話を有利な流れに誘導していくための「質問」の技術について、さらに詳しく解説していきたいと思います。
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