会社に黙って副業で稼ぐ人たちの偽らざる本音 バレずに本業と両立させるにはコツがある

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C:会社では新規事業を手がけていて、副業でコンサルティング会社を設立した。会社にいると組織の枠内でしかチャレンジできない。

新規事業も上司の方針に合わないと進まないし、収益性が低いと、企画も会議で通らない。その点、副業は決定権が常に自分にあるのが魅力だ。

D:私は会社では広報を担当していて、副業でもいくつかの団体の広報を手伝っている。きっかけは、自分の能力が外で通用するかを試そうと思ったこと。広報の仕事は会社によって違う。本業では決まった仕事が多いけど、副業ではスタートアップの会社のようないろんな業務を経験できる。

それから、働き方改革で残業時間が減ったのも理由の一つ。余った時間を何か価値あることに充てたいと考え、副業を始めた。

E:僕は社内で経営企画畑にいて、副業でキャリアカウンセラーの活動をしている。きっかけは2017年の初めに『ライフ・シフト』を読んだこと。これまでの会社依存型の人生ではいけないと実感し、個人事業主として、働き出した。

副業したい人は多いが、実践者は少ない

A:副業している人は増えているよね。でも感じるのは、副業はしたくても何がしたいか分らないという人が意外に多いこと。

E:そう。僕の周りの若手も9割は「副業したい」と言うけど、実際にやっている人は1割未満だ。

C:僕もやりたいことが分らなかった。だから勉強会に顔を出したり、知り合いのスタートアップを支援したりと、手当たり次第に動いて、徐々に見えてきた感じ。

B:私は、いずれ組織に属さなくても生活できる収入を得たいと思って副業を始めた。この1年間は外部のセミナーに出たり、自分の強みは何か友人に聞いたりと、人生の棚卸しを本気でやって、今の副業にたどりついた。

――会社では、副業していることを公言しているのか。

A:公言はしていない。うちはもともと、許可なく収入を得たら懲戒される規定があった。見つかってクビになるのは怖いから、人事部に相談した。その後、制度が変わり、副業が認められるようになった。

でも、職場で副業している同僚はほとんどいない。以前、フェイスブック(FB)に副業の活動内容を投稿すると、直属の上司から、「役員に『あいつは自由そうにやっていていいな』と言われた」と聞いた。そんなこともあり、情報発信にはかなり気を使っている。今ではFBで副業について投稿する際は、会社の人が読めないよう、公開範囲を限定している。

C:僕も一緒だ。

D:私もそう。

A:なんだ、みんなそうか(笑)。副業の活動範囲を広げるにはFBで周知するのも大事なこと。だから情報発信は悩むよね。

C:うちの会社も最近、就業規定を改定し、本業のプラスになる副業であれば認められるようになった。ただ、僕が副業で早く帰る一方、遅くまで残業している同僚がいるのも事実。それは気まずく、夜の副業の活動はFBには投稿しないようにしている。

B:うちの会社は遅れている。上司から「副業はダメ」と念を押された。だから副業していることは会社には絶対に明かせないし、そのそぶりも見せられない。

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