スーパー銭湯「極楽湯」は中国でも通用するのか

10年以内に100店体制を目指すが課題は多い

極楽湯が中国に進出することになったきっかけはリーマンショックだ。極楽湯HDは2008年まで順調に売り上げを伸ばしていたが、国内の不景気による閉塞感、温浴施設の飽和状態などで伸びが鈍化。「このまま国内で本当に儲かるのか、社内で議論になった」(極楽湯HDの鈴木正守CFO)。そこで目をつけたのが、もともと出店の誘いがあった中国だった。

現地企業との競争が激化

そもそも中国で温浴施設といえば「湯船につかること」にではなく、その後に行われる「マッサージなどの娯楽」に重きが置かれていた。それが極楽湯の進出をきっかけに、それまでマッサージ主体だった上海の温泉事情は徐々に変化していく。現地企業が極楽湯に類似する大型施設を運営し始めたのだ。

記憶に新しいのは、2016年にオープンした「大江戸温泉物語」と名乗る温浴施設(この施設は日本の大江戸温泉物語とは関係ない)。大江戸温泉物語を模した温浴施設で、開店当初はパクリ疑惑で世間をにぎわせた。オープン記念で「入場料1元」のキャンペーンを実施する大型スパ施設も登場するなど、現地での競争は年々激しくなっている。

こうした競合店はお風呂を出たあとのカラオケや麻雀、食事などのアミューズメントに力を入れている。極楽湯はそうしたソフト面にも力を入れつつ、日本式ならではのお風呂で差別化していく方針だ。

現在、極楽湯HDは「10年以内に中国で100店舗」という目標を掲げている。中国は直営とフランチャイズで展開するが、今後は出店スピードを加速するために、出店コストなど費用面での負担が軽減されるフランチャイズでの展開に主軸を置いていく方針だ。

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