スターだらけのJ1・神戸、クラブ経営改革の要諦 楽天ヴィッセル神戸の立花社長らに聞く改革

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全国で初のハイブリッド芝を導入したJ1・ヴィッセル神戸の本拠地であるノエビアスタジアム神戸(写真:フォトレイド/アフロ)
楽天の三木谷浩史会長兼社長がオーナーのヴィッセル神戸。数多くのスター選手も獲得し、クラブの決算も2018年はJリーグ史上最高の営業収益96.6憶円を計上した(収支は20.2億円の営業利益)。これから先、チームの改革だけでなく、クラブ経営でもどのように変革していくのか。クラブの代表取締役社長である立花陽三氏と、取締役副社長執行役員の森井誠之氏に話を聞いた(「第1部チーム改革編」の記事『ヴィッセル神戸が目指す「アジアNo.1」の道』)。

スペインの名門、FCバルセロナのようにボールを保持してゲームの主導権を握り、ファン・サポーターを魅了する攻撃的なスタイルを実現させようとする一方で、1年ほど前からヴィッセル神戸が取り組んでいることがある。それが、「新スタジアム構想」だ。

2018年4月にクラブがノエビアスタジアム神戸の管理運営事業者となることを機に、4つのコンセプトが掲げられた。

1つ目は、『スポーツ興行からエンターテインメント興行へ』。試合観戦だけでなくコンサートなど、スタジアムに来るだけで楽しいと思える空間の創出を目指す。

2つ目は『スタジアムからスポーツパークへ』。サッカーやラグビーだけでなく、さまざまなスポーツ大会やイベントの開催を考えている。

3つ目は『今までの日本になかった新しいスタジアムの創出』。チケットレス化やキャッシュレス化など、クラブの親会社である楽天グループのシナジーを生かしてサービスの向上に務める。

4つ目が『日本初のハイブリッド芝ピッチで、ヴィッセル神戸が勝てるスタジアムへ』。よりよいピッチコンディションで選手のアグレッシブなプレーを引き出し、勝利をつかむ。

いかにコンテンツの魅力を最大化するか

こうした「新スタジアム構想」の現状について、クラブの代表取締役社長である立花陽三氏はこう語る。

ヴィッセル神戸の新スタジアム構想について話した立花陽三社長。ヴィッセル神戸とパ・リーグ球団・東北楽天ゴールデンイーグルスの社長を兼務している(編集部撮影)

「ハイブリッド芝やキャッシュレス化はすでに導入していますが、スタジアムを活用できる部分がたくさんあって、今、改修を進めています。

われわれの最大のコンテンツは、選手であり、プレーであり、ピッチ。体験が唯一無二の顧客サービスですから、体験する場所と体験できる人数をどれだけ多く用意できるかがテーマ。

これまでサポーター席の拡張、ピッチサイド席の導入、ラウンジの改修などを行ってきましたが、お客さまの満足度をさらに高めたいと思っています」

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