安倍首相が認めたくない外交上3つの「悪夢」

トランプ大統領にだいぶコケにされている

前回の首脳会談は、アメリカと北朝鮮の非核化に対する理解にギャップがあることが表面化したことで決裂した。北朝鮮は、すべての主要な制裁の解除を求めた一方、非核化プロセスの初期段階においてどの施設を閉鎖する準備ができているかを具体的に述べることを拒否したのである。話し合いの再開は、北朝鮮が交渉のテーブルにより多くのものを持ち出す意図があることを示しているかもしれない。

もっともこれは、従来の計画よりはるかに後退した核開発凍結案に合意することを、スティーブン・ビーガン北朝鮮担当特別代表と同様にトランプ大統領が明確に示したことも反映している。ニューヨーク・タイムズ紙が報道したように、これは将来の核開発には上限を設けるものの、北朝鮮を核保有国として受け入れることを意味するだろう。こうした考えは新しいものではない。日本の高官も2017年夏以降、こうした“悪い取引”が行われることを懸念していた。

アメリカの高官はこの報道を否定したが、より正確に言えば、彼らはこうした取引が行われたことについての認識、および支持していることを否定しているのである。「(ニューヨーク・タイムズが書いたような)計画は、それに似たものですら聞いたことはない」と北朝鮮との会談に直接関与してきた関係者は話す。「(国家安全保障会議アジア上級部長)マット・ポッティンガーも聞いたことがないことを知っている」。

凍結案をほのめかした可能性も

実際、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当補佐官と、ポッティンガー氏は、板門店の会談からは外されており、奇妙なタイミングであるがモンゴルに派遣されていたのである。北朝鮮対応は、今ではマイク・ポンぺオ国務長官と、ビーガン特別代表の手の内にある。

日本政府は、トランプ大統領が金委員長と抱き合ったことを儀礼的に支持し、(証拠もなしに)再び拉致被害者の問題が議題にあがり、核武装した北朝鮮が日本を狙ったミサイルを保有したままにしないようにするという日本の要求も伝えられた、と主張したのである。   

しかし、ソウルに住むベテランジャーナリストは、まだ確認されたものではないとしつつも、「トランプ大統領は板門店南側にある韓国側の施設『自由の家』での金委員長との私的な会話で、アメリカは北朝鮮がすべての核兵器とミサイル、およびそれらを製造する手段を実際に放棄することまでは主張しないということをほのめかしたかもしれない」としている。

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