シーサイドライン事故、見えてきた「逆走」対策

安全対策は検討進み、原因調査は今後も続行

6月2日、車両基地に収容された横浜シーサイドラインの事故車両(編集部撮影)

新交通システム「横浜シーサイドライン」で無人自動運転の列車が逆走した事故を受け、国土交通省は6月27日、自動運転列車の事故防止に向けた第2回目の検討会を開いた。横浜シーサイドラインは同検討会で、逆走の原因とみられる進行方向切り替えを伝えるケーブルの断線について、追加の安全対策を示した。

ケーブルの断線がなぜ起きたかについては運輸安全委員会による調査が続いているが、国土交通省鉄道局は「(有人運転の負担があるので)自動運転の早期再開を事業者としては考えている。検討会で安全性をしっかり検証して、負担がないようにしたい」と、早い時期の再開に理解を示した。

断線を検知できる対策案

今回の逆走事故は、進行方向の切り換え信号が送られたにもかかわらず、ケーブルが断線していたため進行方向が終着駅に到着した状態のまま維持されたのが原因と推定されている。

進行方向の切り替え情報を、モーターを動かす「VVVF装置」に伝える制御ケーブルは2種類で、前進を伝えるF線(=forward)と後進を伝えるR線(=reverse)がある。

F線とR線は、どちらに電圧がかかっているかの組み合わせで進行方向を制御する仕組みだが、事故車両はケーブルが断線して電気が流れなくなった場合、直前の状態を維持してしまう仕様だった。

一方、事故車両はこの制御ケーブルとは別に、先頭車両がどちらかを切り替える信号ケーブル(194G線・195G線)を持っており、地上側はこのケーブルに送った進行方向切り替えの情報と、車両側から戻ってきた情報を比較して切り替わったことを確認していた。

このため、F線・R線が断線していても、地上側は異常を確認できなかった。シーサイドライン側が示した対策は、この点を改善するものだ。

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