アイブ氏が去ったアップルは、どうなるのか? 27年間iPhoneやMacのデザインを手掛けた

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アップルのデザイン最高責任者、ジョナサン・アイブ氏(左)が同社を去ることが発表された。写真は(写真:アップル公式サイトより)

アップルはアメリカ時間6月27日、同社のチーフ・デザイン・オフィサー(CDO、デザイン最高責任者)、ジョナサン・アイブ氏が、2019年中に同社を去ることを発表した。発表文は、同社ウェブサイトに掲載されている

アイブ氏は自身のクリエイティブ企業「LoveFrom」を立ち上げ、アップルが最初の顧客になるという。Financial Timesによると、長年のアイブ氏の友人で2014年からアップルのプロジェクトにも参画してきたデザイナー、マーク・ニューソン氏も新会社LoveFromに合流する。

ジョブズとアイブとアップル

ジョナサン・アイブ氏は1967年にロンドンで生まれ、デザインを学んだ後、Tangerineというデザイン事務所で短期間働いた。そして1992年にアメリカに渡り、アップルで工業デザインのキャリアを積んできた。

1992年当時、アップルの共同創業者だったスティーブ・ジョブズ氏は同社を追われ不在だった。ジョブズ氏が1997年にアップルに復帰する際、アイブ氏はインダストリアルデザイン担当上級副社長に就き、以降、次のようなアップルのデザイントレンドを作り出した。言うまでもなく、これはコンピュータ業界だけでなく、世界中を席巻するデザインとして評価された。

●1997年~「半透明」。透明なプラスティックにカラーリングが施され、ふっくらとした輪郭を持つ、それまでのコンピュータにないデザインを実現。代表的な製品に、iMac、iBookなど。

●2001年~「ミニマリズム」。一般向け製品には、透明なポリカーボネイトの内側を白く塗り、艶やかながら形としては直線を多用するソリッドな印象を持たせる。プロ向けも形状は類似するが、チタンやアルミニウムなどの素材が用いられる。代表的な製品に、iBook、iPod、PowerBook、MacBook、iMacなど。

右から初代iPodとネクタイピン型のiPod shuffle(筆者撮影)

●2007年~「金属とガラス」。堅牢で美しいだけでなく、リサイクルしやすいという環境配慮の要素を加え、アルミニウムとガラスで構成される製品デザインが採用されるようになった。2007年のMacBook Airを含むMacBookシリーズ、iMac、その後のiPhone、Apple Watchも含めて、アルミニウムとガラス、もしくはステンレスとガラスで覆われたデザインが採用された。

これまでの27年間、アップルで数々のデザインを手がけてきた。こうした功績が評価され、数々の工業デザイン賞に輝いているほか、2006年に大英帝国勲章を受勲。

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