スバル車がアメリカで売れ続ける「2つの要因」 現地で試乗したSUV「アセント」の乗り味は?
「もう1つの要因は、2007年より北米スバル独自の『LOVEキャンベーン』という広告展開をスタートした事でしょう。一般的には自動車の広告はスペックや値段をアピールしますが、スバルはオーナーの愛車への思い入れ(=LOVE)を強調した宣伝活動を実施。これに共感する人が増え、結果として認知やブランドバリューもアップしたと考えています」(同)
これはトヨタ自動車の豊田章男社長がしばしば語る「数ある工業製品の中で『愛』が付くのはクルマだけ」という考え方とよく似ている。
乗り換え比率が確実に増えている
「さらにこの2つの要因を裏付けるのが『コンシューマー・リポート』での高い評価です」(同)。コンシューマー・リポートは非営利の消費者団体が発行するアメリカの月刊誌(雑誌は400万部、ウェブは300万の登録者)で、ユーザーのために消費財の徹底評価を行う。紙面に広告を一切掲載しないスタイルで絶大な信頼性を持っている。
そのクルマ特集の最新号でスバルが初めてナンバーワンを獲得したのだ。ロードテストではBMWやポルシェの成績のほうが高かったが、信頼性やオーナー満足度を含めた総合評価で上回った。ちなみにミッドサイズSUV総合評価トップ(96ポイント)のアセントが表紙になっている。
「以前と比べると、スバル車以外のブランドからの乗り換え比率が確実に増えています。その多くはコンシューマー・リポートを見て、足を運んでくれる方が多いですね」(同)
そんなアセントに試乗させてもらった。ボディサイズは全長4998×全幅1930×全高1819mm、ホイールベース2890mmと歴代スバル車最大だが、視界性能の高さと小回り性能も相まって非常に扱いやすい。インテリアはSUVシリーズのフラッグシップとしての質の高さと「目線が高く、より広いエクシーガ」といった居住性を実現しており、3列目は大人が座っても苦にならないスペースだ。
264ps/376Nm を発揮する2.4L直噴ターボ(FA24)は、2トンオーバーの巨大を軽々と引っ張る力強さと実用域からトルクフルな性格とターボラグを上手にカバーするCVT制御の効果が相まって非常に扱いやすい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら