徳永有美が専業主婦を経て報ステで得た居場所

「いろんな意味で毎日限界点と戦っています」

河崎:他局のコメディー番組のトークコーナーで、ウッチャン(内村光良さん)が「朝、子どものスクールバスを見送るんだけど、昔はずっとパパに手を振り続けてくれていた子どもが、今ではすぐ友達との話に夢中になって自分のほうなんか見なくなったのが寂しい」とお話しされていました。

徳永:内村さんには、かなり子育てしてもらっていますね。助かっています。家族には何が理想とか何が正解とかはない。子どもたちには自分で仕事をして自分で稼いで、1人でまずはちゃんと生活していってほしい。そこまで育てることが私たちの役目かな、と夫婦で共有しているつもりです。生きることや仕事をすることへの健全な「欲」みたいなものを持ってほしい。

「自分の言葉が枯渇している」

河崎:家庭人としての核をしっかり持ったうえで、連日報ステに出演する。それにはご自身の頭をクリアにして、ニュースに対して鋭いアンテナを立てておくとか、情報の流れのいい状態に維持することが必要なのではないかと思います。インプットしやすいように、日頃心がけていることは?

徳永:日々の勉強は怠らずにやっていこうと思っているんですが、初めのうちはそれもままならないくらい体力的にきつくて。例えば本などを読んでいても言葉がすんなりと入ってこないような状態でした。この生活リズムにも慣れてきて、少しずつインプットがしやすくなってきました。

でもそれは、ベースとして最低限やっておかねばならない部分なんですね。その次の段階は何かというと、ニュースの本質を自分で捉えられるようになること。さらに、そのニュースに対して自分はどう感じるか、と。放送までにそこまで行けたらいいなと思うんです。でもなかなかそこまでたどり着けないことが多くて。

あとは、半年報ステをやって、もっと学びたい、もっと勉強したいと思ってやってきたのですが、ある時、自分の言葉や感性が枯渇していると、はたと気づいて。

河崎:言葉の仕事ですから、きっとそれは大きな危機感でしたよね。

徳永:例えばスタジオで、感想を述べる時に同じような言葉ばかり使ってしまう。それって何かというと、毎日目の前の事に向き合うのに精いっぱいで、気がつくと自分自身が自由に何かを感じる時間や世界が極端に少なくなってきてしまって。自分がすんなりたどり着きやすい雰囲気や落とし所に気持ちが持っていかれやすくなってしまっていたんです。それをスタッフに指摘されたときに、自分を支える土壌のようなものが枯渇しているな、と愕然としました。

ならば、自分を支える土壌は何で構成されているのかと考えると、自分の好きな世界と嫌いな世界の両方というイメージなんです。だから、自分の好き嫌いを改めて問い直して、整理して、掘り下げるということをちゃんとしていこうと思いました。もともとその時間がとても好きなので。でも、家事をやってニュースを伝えてを繰り返していると、自分の好きな世界に触れることもなく、自分の感性を養う時間がなかなか持てない。

3月の終わりから、もう一度そこを取り戻そうと考えて、自分の大好きな本屋さんに行って、好きな分野や好きな作家さんの本や映画に触れて、ボキャブラリーやアンテナを増やしていこうと心がけるようになりました。それをしなければ、あのスタジオでどんどん自分の想像力がやせ細っていく。半年経って気づいたことでした。

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