シボレー「カマロ」が20代から支持される理由 以前の「アメ車」の印象は、ガラリと変化した
アメリカでは16歳から運転免許を取得できるので、まさしく戦後のちょうどその時期を発売年としマスタングは誕生した。1968年に公開された『ブリット』という刑事映画では、主人公のスティーブ・マックイーンが乗るマスタングがサンフランシスコの町でカーチェイスを演じ、スポーティーな走りを遺憾なく見せた。そうしたこともあり、マスタングはベビーブーマーのみならず広く人気を博した。
その競合車種となるのが、GMのシボレー カマロである。両車は互いに人気を二分しながら今日もなお、それぞれのメーカーのスポーティー車種として50年以上も存続している。両車はまた、日本でも人気を得てきた。しかし近年、都市部を中心に輸入車に乗る人が増えながらも、アメリカ車を選ぶ人は限られ、結局フォードは日本市場から撤退した。
上級車種に絞った販売戦略
ちょうどそんな折、GMジャパンに若松格社長が就任した。前年の2015年当時、GM車は日本市場においてフォード車の3分の1ほどしか販売していなかった。だが、若松社長は、強みを持つ上級車種に絞った販売を行えば勝機があると考えていた。それが、キャデラックであり、シボレーではスポーツカーのコルベットとスポーティークーペのカマロだ。
キャデラックは、2003年に新しいアーキテクチャーによりCTSという車名で、内外の造形を刷新したキャデラックをアメリカで展開し始めている。続いてATSという、小型のキャデラックまで登場させた。これらは、従来のアメリカ車の印象を根底から覆す商品力を備えていた。しかし、日本では相変わらず昔からのアメリカ車という目でしか見られていなかった。
その新しい魅力を地道に発信することを、若松体制のGMジャパンは始めた。2017年のキャデラックSUVの発表会では、「パワーウーマンプロジェクト」と称し、各界で活躍する女性をアンバサダーに迎え、つねに新しいことに自由な発想で挑戦するキャデラックの姿を伝えた。このプロジェクトは2018年も続けられている。
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