シボレー「カマロ」が20代から支持される理由 以前の「アメ車」の印象は、ガラリと変化した

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それでも、1990年代以降、グローバル化が語られるようになり、例えばGMの高級車キャデラックもドイツのニュルブルクリンクというサーキットコースで操縦安定性を磨き上げるなどを行う時代になっている。あるいは、直列4気筒ターボエンジンのようなダウンサイジングも行われている。

アメリカ車の性能がそのように変化しているにもかかわらず、日本市場におけるアメリカ車の評判がなかなか改められず、旧態依然とした目で見られてきた経緯がある。ところがここにきて、20~30代といった若い人たちは、そうした先入観なしにアメリカ車に目を向けるようになったというわけだ。

カマロが注目を集めたきっかけは映画?

カマロに目が向けられたきっかけは、映画の『トランスフォーマー』ではないかと、GMジャパンは推察する。『トランスフォーマー』は、スティーヴン・スピルバーグの制作総指揮によって2007年に公開されたアメリカの映画で、主人公の少年のオートロボット戦士であるバンブルビーが変形するクルマが、カマロであった。また2001年に第1作が公開されたカーアクションのアメリカ映画である『ワイルド・スピード』にも、古いカマロが登場する。

子供の頃にそのような映画を見た人たちが、ちょうどいま20代となり、カッコいいクルマの1台としてカマロを選ぶことが起きている。実際、GMジャパンが行ったイベントなどでも、「『トランスフォーマー』のクルマだ!」といった声が多く聞かれたという。

カマロは、GMのシボレーブランドで、1967年に誕生した2ドア4人乗りのスポーティークーペとコンバーチブルである。

誕生3年前の1964年に、フォードからはマスタングが登場している。アメリカで主流の大型4ドアセダンやステーションワゴンと異なり、マスタングはやや小柄で身近な価格で買えるクルマとして、第2次世界大戦後に生まれたベビーブーマー、日本でいう団塊の世代の若者向けに新開発された。

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