シボレー「カマロ」が20代から支持される理由 以前の「アメ車」の印象は、ガラリと変化した

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カマロについては、新型の日本市場での発売前に、東京、大阪、名古屋でイベントを催し公開するなど、消費者とアメリカ車の接点を設けることを行った。これが予約注文に結び付き、予想以上の受注を得た。このことは、GMジャパンはもとより、販売店にも自信をもたらし、積極的な経営が始まる。

また、富士スピードウェイを借り切って走行会やタイム競技を開催し、欧州のスポーツカーにも引けを取らない性能を所有者自ら体験する機会が設けられた。同時に、プロフェッショナルドライバーによる極限の走行を披露するなどもした。

アメリカ車の中でも、長けた魅力を備えた特徴ある車種であれば、国を問わず人を魅了することをGMジャパンが日本市場に示した結果、2018年上半期(4~9月)にカマロは、対前年同期比150%の売り上げを記録した。

ブームに左右されるだけではない

カマロを購入する20~30代の人々は、どのような顧客であるのか。GMジャパンによれば、自らの暮らしや人生を彩るものの1つとして、クルマならカマロを選び、収入の中から地道にローンを支払って手に入れている様子がうかがえるそうである。

輸入車を選ぶ理由の1つに、その国の文化や風土を日本にいながらにして疑似体験することがある。とはいえ今日、地域性にとどまらず、それがいかに世界を牽引しているかに人々は触発されている。アメリカ車であるか欧州車であるか、あるいはこの先は、韓国車であるか中国車であるかではなく、その地域や国がどのような価値を世界に発信し、それが社会や時代を牽引するかが問われている。

生活を彩るものとして、日用品から家庭電化製品、衣服、食べ物などあらゆるものが、暮らしと心を豊かにし、人を幸福にするかに目が向けられている。そこにクルマも当てはまる。単にブームに左右されるだけではない、自分らしく生きるためのクルマ選びとしてカマロ人気が表面化した。

クルマ離れと一言で片付ける前に、クルマがいかに暮らしを彩るかが大切であり、そこにまた、所有と利用という選択肢もある。所有であろうと利用であろうと、いま自動車メーカーが問われているのは、どのような暮らしを提供できるかという価値である。その答えは、GMジャパンが展開した、顧客と接点を持つことのできる商品があるかどうかから生まれるような気がする。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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