佳代子は、20代の自分をこう振り返った。
「20代は、自分のやりたいことを優先しすぎていました。海外で生活するのが夢だったので、20代前半のときにワーキングホリデーでドイツに渡り、1年間ドイツ暮らしをしたんです。帰国して働いてお金を貯めて、20代後半では世界一周のチケットを買い、半年かけて世界を一周しました。
20代の頃付き合っていた人もいましたが、海外に行くことのほうが楽しくて、結婚なんて考えられなかった。1人の男性を選んで1つ屋根の下で暮らすイメージが持てなかった。そして、30歳を過ぎてみたら20代の頃のように身近なところに恋愛できる相手はいなくなっていたし、しばらく恋愛のブランク期間があったから、恋愛の仕方も忘れていた。さらに焦るから、男性を見極める目も甘くなっていたのだと思います」
アリとキリギリスのキリギリスだった?
以前、佳代子と同じように20代に自分のやりたいことを優先させ、30歳を過ぎてから婚活を始め、結婚できないままに36歳を超えてしまった女性が、こんなことを言っていた。
「イソップ物語に『アリとキリギリス』のお話があるけれど、私はまるでキリギリスだったのかなって、今になって思うんです。目先の楽しいことを優先させてしまったから、20代なら簡単にできた結婚を今こんなに苦労をしているのにできないでいる」
確かに30歳を過ぎてからの婚活は難しい。35歳を過ぎると難しいから「厳しい」に変わる。しかし、20代で自由な時間を謳歌したのだから、その人生は価値があったと思ったほうがいい。
私は、佳代子に言った。
「30代、40代の婚活は本当に大変なんですよ。でも、お相手を見つけて結婚して子どもを授かっている人もいます。結婚できるか、できないかの分かれ目は、諦めずに出会い続けたかどうかの差なんですね」
ただ時間は、有限だ。出会う男性を見極める目を持つことが大事だ。
婚活アプリや出会い系居酒屋などで出会った男性は、会社の名刺を出してきたからといって安易に信用するのではなく、お互いの先輩や友人を交えての食事やお互いの親に会うことを提案してみる。
2人だけの関係ではなく、互いにつながっている人たちを紐付けようとしたときに、それを避ける男性だったら交際に真剣ではないし、既婚者の可能性もある。
さらに、誰もが結婚したいから婚活をしているのだが、そこに“必死感”が出てしまうと、佳代子が言うように冷静な判断ができなくなる。相手から「結婚」というワードを出されたときに、そこにすぐにしがみついてしまう。相手が悪ければ、それで簡単にだまされてしまう。
恋愛スイッチが入らなければ、人を好きにはならない。好きにならなければ結婚しようという気持ちになれないのだが、婚活成功のキーワードは、“ハートは熱く、思考は冷静に!”なのだ。
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