改めて問われる上場メリット--LEOCよ、お前もか。上場廃止が相次ぐ給食業界
流れを主導する大手外資「信用力に問題なし」
「当社のような(給食)業種はそれほど設備資金などの資本を必要としない。今やマーケットは飽和状態だし、M&Aの可能性など、上場していることのタガも大きい。知名度に影響は若干あるが、われわれは一般消費者を相手にしているわけではなく、信用力という点では三井物産とアラマークでまったく問題はない。この3年間に総合職を毎年新卒で50~60名採用しているが、何のハンデも感じていない」
実はこの合弁相手のアラマークこそ、その上場問題では米国での偉大なる先例企業なのである。
同社は84年ニューヨーク証券取引所でいったん上場廃止した後、01年に再上場、そして07年初、再びMBOで非上場とした経緯がある。ニューバウワーCEOは「わが社の業績と株式市場の評価にギャップがあった」ことを上場廃止の主因に挙げている。アラマークは「オリンピック選手村への給食ではメキシコ大会以来、今回の北京まで独占している」(石田社長)など実績があり、業界での国際的信用度は非常に高い。
石田社長は「今後の給食業界は寡占化、淘汰の方向にある。メフォスを買収したのも、同社が医療給食に強く、産業給食に強い当社と補完関係にあるため。再上場は若干念頭にある」と勝ち残りに自信を示す。同社は最近、オフィスコーヒー5位のやまとの買収も行っている。
もう一つ上場廃止の先例として挙げる必要があるのは、西洋フード・コンパスグループである。同社はもともと西武セゾングループの一員で、上場も61年と古かった。が、01年末に英国の大手給食会社のコンパスグループが資本参加、翌02年同社が完全子会社化するとともに、東証上場を廃止した。現在はコンパスグループが95%を出資、過去に食堂運営合弁を設立した経緯から、残る5%を伊藤忠商事が保有する。
同社は07年にレストラン事業の大半を分社化し、本業の給食事業に集中した。アジアでは中国・上海にも進出し、アジア・オセアニア地区の事業を強化中である。
結局、世界的な大手給食企業3社はいずれも日本に進出したが、LEOCのMBOでフランスのソデクソは実質足場を失い、残る2社は非上場の合弁事業を継続する形となる。
このほか独立系のグリーンハウスも06年にジャスダックを上場廃止している。同社も中国・北京に昨年現地企業と合弁会社を設立、日系企業向けに給食事業を開始した。上場給食企業は今や日清医療食品、シダックス(いずれも01年上場)の2社を残すだけとなる。