「今の仕事が向いてない」と悩む人への処方箋

江戸時代より「天職に出会う」のが難しい現代

近代の仕事は科学の発展とともに細分化が進んだことによって、「やりがい」を見出せなくなっています(写真:Ushico/PIXTA)
臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

「自分はこの仕事に向いていないんじゃないだろうか?」

こういう悩みを持ったことのない人は、おそらくおられないでしょう。実は僕自身が、医学部の学生時代から「医者には向いていないなあ」と悩んでいた人間です。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

ただ、「向いていない」と感じるのにもいろいろなパターンがあります。例えば、四六時中、「自分はこの仕事に向いていない」という思いにかられ、食欲が落ち、深く眠れない日々が続いていたら、どうでしょうか。

「向き不向き」という漠然とした不安

これは、仕事の「向き不向き」以前の問題である可能性が高いと僕は思います。例えば、特定の上司からのパワハラなど、職場で精神的なプレッシャーを強く受けて、自律神経の調子が崩れてしまっているかもしれません。カウンセリングや精神科の受診など、専門家のアドバイスを受けたうえで、転職や、部署の異動を検討したほうがいい状況です。

一方で、一般的に言われる「仕事の向き・不向き」というのは、そこまで切羽詰まったものというよりは、日頃の仕事の中で、ふと感じるものではないかと思います。

今の職場環境や待遇には大きな問題はない。でも、心のどこかに「なんだか自分がやるべき仕事は、これじゃない」という気がする。なんとなく「自分はずっと、この仕事を続けていくのだろうか」という不安がよぎる……。そんな感覚です。

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