「今の仕事が向いてない」と悩む人への処方箋 江戸時代より「天職に出会う」のが難しい現代
「自分はこの仕事に向いていないんじゃないだろうか?」
こういう悩みを持ったことのない人は、おそらくおられないでしょう。実は僕自身が、医学部の学生時代から「医者には向いていないなあ」と悩んでいた人間です。
ただ、「向いていない」と感じるのにもいろいろなパターンがあります。例えば、四六時中、「自分はこの仕事に向いていない」という思いにかられ、食欲が落ち、深く眠れない日々が続いていたら、どうでしょうか。
「向き不向き」という漠然とした不安
これは、仕事の「向き不向き」以前の問題である可能性が高いと僕は思います。例えば、特定の上司からのパワハラなど、職場で精神的なプレッシャーを強く受けて、自律神経の調子が崩れてしまっているかもしれません。カウンセリングや精神科の受診など、専門家のアドバイスを受けたうえで、転職や、部署の異動を検討したほうがいい状況です。
一方で、一般的に言われる「仕事の向き・不向き」というのは、そこまで切羽詰まったものというよりは、日頃の仕事の中で、ふと感じるものではないかと思います。
今の職場環境や待遇には大きな問題はない。でも、心のどこかに「なんだか自分がやるべき仕事は、これじゃない」という気がする。なんとなく「自分はずっと、この仕事を続けていくのだろうか」という不安がよぎる……。そんな感覚です。