日本人が引っかかる和製英語の恥ずかしい「罠」 スタバで「コンセントはどこ?」と聞くと…

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さて、和製英語、どんどん紹介していきましょう。理由がわりと有名なのは「バイキング」ですね。これは東京の帝国ホテルで「Buffet(ビュッフェ)」を始めたところ、そのレストランの名前である「バイキング」が一般名詞化したということです。海外のホテルでバイキングが食べたいというと、ホテルの方は申し訳なさそうに――バイキング形式の朝食会場の目の前で――「当ホテルにはバイキング料理というものは用意がございません」と言ってくると思います。

固有名詞が一般名詞化した和製英語の例としてはホッチキスもありますね。英語では「stapler」で、ホッチキスはブランド名です。100年ほど前に輸入された製品名がそのまま一般名詞化したと言われています。

懐かしの「コダック・モーメント」

実は英語圏にも固有名詞が一般化した例は沢山あります。クリネックスとか、パンパースとかですね。そこのクリネックス取って!と言って違うブランドのティッシュを指さしていることがよくあります。ほかにも「Xerox please (コピーを取ってください)」や「I will Fedex(宅配便で送ります)」のように動詞化しているブランド名もあります。日本でも「宅急便を送る」と普通に使ってしまいますが、「宅急便」はクロネコヤマトの商品名ですね。

なお、ひと昔前は「シャッターチャンス」のことを「Kodak moment」と言って、これは日本の英会話のテキストにも出ていたそうですが、フィルムカメラがデジカメに置き換わって、今は誰も言わなくなりましたね。英語が通じないだけでなく、おじさん扱いもされるという、二重のダメージを被る危険ワードとして注意したいです、Kodak moment。

おじさんと思われないための要注意ワード、ついでながらいいますと「ケンタッキー・フライドチキン」はあまり北米の若者には通じないらしいです(僕も若者とは言えない年齢なので残念ながら完全な確証が持てません)。むろん今でも日本でケンタッキー・フライド・チキンと呼ばれているお店は北米のどの町にもあります。しかしよく見ると店名は「KFC」しか書いてありません。1991年に社名変更していて、KFCと名乗って実に30年近く経つので、確かに若者は知らないかもしれません。

ちょっと脱線してしまいました。日本人の方が海外で気をつけたい、まさかアレが和製英語だったとは!となる単語はまだまだ沢山あります。「リサイクルショップ(second-hand shop)」「フリーダイヤル(toll free call)」「バージョンアップ(upgrade/update)」「カンニング(Cheating)」などなど。

アメリカが発祥のスポーツであるはずの野球にも、「ツーベース(Double)」「ストレート(Fast ball)」「デッドボール(hit by pitch)」など、実に沢山の和製英語が使われています。そうかと思えば「カーブ(Curve)」「指名打者(Designated hitter=DH)」「野手選択(Fielder’s Choice)」「ホームラン(Home run)」など、そのまま英語で通じるものも多くありますので、メジャーリーグ中継の第二音声などをよく聞いてみてください。ちなみに「大リーグ」は「メジャーリーグ」の意訳のようですが、メジャーリーグのことを「Big League」と呼ぶこともあるので、これは直訳なのです。

野球と同じく、アメリカのカルチャーと言ってよいハンバーガーショップには、やや悩ましい和製英語があります。「テイクアウト」ですね。ハンバーガーを「Take outする=持ち出す」は、文として意味が通りますので本来通じるはずなのですが、大手ハンバーガーチェーンなどでは日本と同じくバイト君たちは高度にマニュアル化された接客をしています。

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