山口真帆さん暴行事件の騒動に映るAKBの凋落

メディアが手のひらを返しているのはなぜか

私が注目したのはスポーツ紙の「論調」が、かつてないほど運営に厳しくなっている点である。それはテレビの取り上げ方も同様だ。

そしてメディアはいま、明らかにNGT48が属するAKB48グループから距離を置き、突き放そうとしているように思われる。

「打算と忖度」で結びついてきたメディアとAKB48

この10年間、スポーツ紙は、濃淡はあれどAKB48グループと“蜜月”だった。

メンバーが写真集を出せば大きく取り上げ、選抜総選挙などのイベントも積極的に取り上げた。

記事に取り上げれば売り上げが伸びるということもあっただろう。

日刊スポーツ新聞社などは毎年「選抜総選挙 公式新聞」を名乗り、「月刊AKB48グループ新聞」なる月刊新聞も出していた(現在はスポーツニッポン新聞社が発行)。

つまり従来はAKB48グループの「機関誌」でもあり、当然紙面には「ヨイショ系」の記事が連日掲載されていた。

これは日刊スポーツ以外の各紙もさして変わらない状況だった。運営サイドからのさまざまな要求もあったかもしれないが、売り上げにつながるということで逆に「忖度」もあったことだろう。

紙面に大きく扱われれば、朝の情報番組でも紹介される。握手商法によるCD売り上げも「連続ミリオン達成!」と報じられれば、視聴者には「人気のあるAKB」として情報がインプットされていく。

こうしてできたメディアとAKB48グループの関係は「打算と忖度」で結びついてきたといえる。

しかし今回は一斉に手のひら返しである。

日刊スポーツでも「リアルタイム次々と NGT山口怒りの反論」と運営に対して容赦はしなかった。

扱いがもはや「芸能面」ではなく「社会面」なので当然と言えば当然だが、AKSにとっては“仲間”だったはずのメディアがすべて敵にまわる、まさしく「四面楚歌」である。どのスポーツ紙ももはや忖度などしてくれないのだ。

AKB48グループに限らず、一般的に人気絶頂のタレントはメディアも情報を欲しがるので、芸能事務所・運営と近づいて「仲良し」になるスタッフも必要になってくる。プロ野球でいえば番記者のようなものである。

やがてそのスタッフは(人にもよるが)運営に食い込む一方で「代理人」のような動き方をするようになっていく。そういうケースも多い。

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