仮想通貨のバブル崩壊、ICOに「冬の時代」

投資家の阿鼻叫喚は「儲け話の失敗」なのか

そこでビットプロパティーが行ったのが別の仮想通貨の割り当てだ。2018年6月、BTP投資家に「DCPT」という新しい仮想通貨を付与した。DCPTとは「Dexischain」(デクシスチェーン)という不動産価格の予測サービス内で用いる独自の仮想通貨で、ネビュラ(Nebula)というフランスの仮想通貨交換所に2018年秋に上場した。

デジタルとは程遠い、アナログの紙で渡されたBTPの受領証(記者撮影)

しかしDCPTは買い手がおらず、上場直後から今に至るまで、ほぼ売買できない状態だ。デクシスチェーンが構想する不動産価格予測サービスの詳細は不明で、しかも開発中の段階。ただの電子データにすぎないDCPTを買おうという人は、仮想通貨バブルの崩壊した今ではそう現れない。しかもネビュラはマイナーな交換所だ。

BTPに500万円を投じた投資家は、「形ばかりのDCPT上場でお茶を濁している。各国の不動産を買うプラットフォームをビットプロパティーで作ると言っていたのに、それも進んでいない」と憤る。実際、ビットプロパティーが購入したのは石垣島のメガソーラーだけだ。

会社の主要機能はタックスヘイブンへ

2018年12月、デクシスチェーンのカスタマーサポートから投資家たちに一通のメールが送信された。

そこには、ビットプロパティー所有の石垣島メガソーラーについて、「売買が成立した場合には速やかにご報告させて頂きます」と記されていた。投資家たちは2018年11月の説明会で、当初構想と現状が大きく乖離しているため、メガソーラーを売却して投資した資金を返金するように求めていた。「結論は出せていない」とメールには書かれているものの、プロジェクトを断念して返金する可能性はゼロではないようにも読み取れた。

一方、メールでは、カスタマーサポートを含む多くの機能をセーシェルの開発会社に移すことも伝えられた。インド洋の島にあるセーシェル共和国は、元英国領のタックスヘイブン(租税回避地)。そこにBTPやDCPTの発行主体である開発会社が置かれているという。

投資家たちが現在把握している連絡先は、カスタマーサポートのメールアドレスのみ。だがこのサポートメールは、予告なしに日本語での対応を終了する場合があると通告されている。

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