爆売れ「ポケトーク」生んだ英語オタク社長の夢 シリコンバレーに移住し、世界企業を目指す
ここまでの法人ニーズは想定外だった
――翻訳機「ポケトーク」が好調です。いったい、どんな人が購入しているのでしょう。
個人、法人それぞれに、想定よりもはるかに強い手ごたえを感じている。全体の4割といちばん多いのは個人の海外旅行用だ。加えて、もともと個人消費者向けに発売した製品にもかかわらず、法人からここまで高いニーズがあるとは想定外だった。
年間約3000万人の外国人観光客が日本にやってくる今、それをビジネスチャンスと捉える企業は増えている。彼らが外国人客と意思疎通をはかる手段には、「通訳を雇う」「従業員に語学研修を受けさせる」などがあるが、どちらも莫大なコストがかかる。第3の選択肢として翻訳機がある。1台約3万円の端末を買って、そのコスト以上に利益が出るかどうかを見極めて導入してもらえているのだと思う。
――海外旅行で使うとなると、使用頻度はそれほど高くなさそうです。
実は、ポケトークを語学の勉強用に使ってくれている人が2割弱もいる。学習用になると、たまに使うものから、毎日使うものに変化する。
「翻訳機は語学を勉強するうえで一番いいツールになるんじゃないか?」というアイデアは、自分が英語の勉強をしていた20代のころからずっとあったもの。だから、ある見本市に出品されたオランダのベンチャー・トラビス社の翻訳機について社員から報告を受けたとき、「これはいける」と思い、翌日には現地に飛んで社長に会ったほどだ。
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