トヨタ自動車「来期赤字転落」のシナリオ

独自試算! 

独自試算! トヨタ自動車「来期赤字転落」のシナリオ

『週刊東洋経済』12月20日号では、トヨタ自動車の来期赤字転落の可能性について言及した。会社側ほか、複数のアナリストなどにもヒアリングして導き出したシナリオだが、『東洋経済オンライン』で改めて、その詳細について解説してみたい。

まずトヨタの08年4~9月期決算発表資料(決算説明会プレゼンテーション資料)を見ると、今期通期の減益要因として以下のように記されている。

今2009年3月期見通しの営業利益増減要因(会社発表)
前期営業利益実績                   2兆2703億円
 為替変動の影響(1ドル103円、1ユーロ146円)  ▲6900億円
 販売面での影響(824万台、67万3000台減)   ▲6100億円
 原価改善の努力(原材料高を含む)      ▲600億円
 諸経費の増加ほか(開発費や労務費増など)       ▲3103億円
今期営業利益見通し                    6000億円

これを見ればトヨタの減益要因は、「円高」と「販売減」の大きく2つであることがわかる。あくまで今期見通しの営業利益6000億円を前提とすれば、という条件付きになるが、来10年3月期については次のようなシナリオが成り立つ。

まず「円高」。今期平均レ−トを1ドル103円、1ユーロ146円で終わったとする。そして仮に現在の1ドル87円、1ユーロ126円の水準が、来期いっぱい続いたとしよう。対ドルでは16円、対ユーロで20円、今期比で円高だ。トヨタの場合、対ドルで1円変動すると年間400億円、対ユーロで60億円の減益になる。これをあてはめると、ドルで400億円×16円で6400億円、ユーロで60億円×20円で1200億円。合計では「7600億円の減益要因」となる。

次に「販売減」。今期の6100億円の減益要因をさらに分解すると、“純粋な販売台数の減少”が4500億円、“車種構成の変化”(粗利の低い小型車へシフト)が1000億円、“金融面の影響”(ローン貸倒損やリース残価損)が700億円、と分けられる。今期見通しの販売台数は824万台で、前期比は約67万台減だ。67万台売れなかった結果が、4500億円の減益要因となるのだから、1台当たりの減益額は4500億円÷67万台=67万円、と推定できる。

来期の販売見通しを、今期より50万台減の774万台に置くとすると、減益要因は67万円×50万台で3350億円。これに車種構成の変化や、金融面の影響が、今期と同程度の1700億円程度あったとすれば、それらを加えて、「販売減」合計では「5000億円の減益要因」となる。

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