野球と役所の街、「関内」駅が直面する転換点 地域の歴史は幕末に始まったが、駅は新しい
2018年9月7日、東急東横線の渋谷駅に横浜DeNAベイスターズファンが大結集した。大集結したファンは、ホームに待機していた車両を背景に記念撮影に興じた。
この日は横浜DeNAベイスターズ・東急電鉄・横浜高速鉄道の3者によって、「ベイスターズトレインビクトリー号」が運行された。ハマの番長こと三浦大輔さんがゲストとして登場。集まったファンたちは、車内でトークや握手といった交流タイムを満喫した。
渋谷駅を出発したビクトリー号は、ノンストップで横浜スタジアムの最寄り駅のひとつ、みなとみらい線の日本大通り駅まで走った。巨大ターミナル・横浜駅をも通過する空前絶後のダイヤは、鉄道ファンだったら悶絶ものだろう。
ベイスターズ色が強い関内駅
DeNAは2012年から球団経営に参入。その際、JR根岸線の関内駅、横浜市営地下鉄の関内駅、みなとみらい線の日本大通り駅の3駅を「ベイスターズ・ステーション」に位置づけ、駅構内や駅外観をベイスターズ色に染めている。
今回は渋谷駅から出発したために相互乗り入れ先の日本大通り駅を終着としたが、3駅でベイスターズ色を最も打ち出しているのがJRの関内駅だ。
関内駅南口は、ベイスターズのヘルメットをかたどったモニュメントが装飾されている。また、駅構内にもベイスターズのロゴや選手の写真があちこちに装飾され、ベイスターズの監督・選手の声で構内放送を流している。とにかく、関内駅はファンの心をくすぐる仕掛けにあふれている。
関内駅は、1964年に根岸線の駅として開業した。2004年に開業したみなとみらい線に比べれば大先輩にあたるが、首都圏のJR線で根岸線は新入りの部類に属する。隣駅の桜木町駅は、1872年に初代・横浜駅として開業。1915年に桜木町駅に改称した。桜木町駅の歴史は、まさに日本の鉄道史そのものといえる。
対して、関内の歴史は短い。わずか1kmしか離れていないのに、桜木町駅と関内駅はなぜここまで違うのか。それは関内駅の歴史をひもとくことで見えてくる。
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