これが全貌!慶応「三田会」が最強である理由 個別三田会はなんと870もある

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これに学校主催の行事が絶妙に絡む。卒業25年になると卒業式に招かれるのだ。

「それに合わせて、年度三田会は大同窓会パーティーを都内のホテルで開きます。同時に慶應のために寄付金も集める。つまり、この時期に年度三田会が再整備されるわけです」(幹事経験者)

再整備とは「名簿の穴」を埋める作業にほかならない。別の年度三田会経験者が言う。

「20年の当番が終わると同時に、『25年には大パーティーがある』という告知を口コミで広めます。3年ぐらい前に名簿整備のための組織を立ち上げ、住所が実家のままになっていたりする『行方不明者』を一人ひとりつぶしていきます。最終的にかなりの現住所がわかります」

塾員の住所判明率は約82%。その高さは、この時期の名簿整備が大きく貢献しているに違いない。

ともあれ卒業20年から30年にかけて3回、大きなイベントが続く。社会の中核を担うのと同じ時期に、同期会の結束を強める機会が与えられるのだ。

もちろん、その機会を生かすには年度三田会が機能していなければならないが、それもまた「慶應システム」とでも言えるものが働く。鍵を握るのは「22.4%」(「2019大学ランキング」)と、高い内部進学率である。

多くの塾員が年度三田会の原動力として小中高からの内部生の存在をあげる。

慶應女子出身の専業主婦でマメな子を代表に選ぶといい

「代表になるのは幼稚舎出身者が目立つ」「人を集めるには、やっぱり内部生が強い。慶應生活が長く、知り合いが多いですから」「慶應女子出身の専業主婦で仲間づくりにマメな子を選ぶと、うまくいく」……。

連合三田会の当番には数百人単位の実行委員が必要だ。25年の大パーティーには1000人を超える同期が集まる。広く人を集めようとすると、内部生の力が必要になるのだ。もちろん、外部生で重要な役割を担っている人も大勢いるが、中核部隊に占める内部生の比率は内部進学率よりはかなり高いようだ。

こうして基盤が固まった年度三田会は、もはや揺るがない。卒業50年には大学から入学式に招待され、25年のときと同様、寄付金を集める。功成り名を遂げた後だから金額も多くなる。今年50年を迎えた「1968年三田会」は、例年より多い約6500万円を集めた。会を率いるのは、佐治信忠・サントリーホールディングス会長だ。

10年ごとの当番がある年度三田会が先輩後輩をつなぐ「縦糸」とすれば、全国各地で塾員がつながっていく「横糸」の役目を果たすのが地域三田会だ。「参加者の半分が65歳以上」と高齢化を指摘する声も聞くが、塾員たちが挙げるのは大学側の「面倒見の良さ」である。名簿管理などを行う「塾員センター」が、さまざまな支援をしてくれるのだ。

「新たに三田会を作る場合は、守秘義務契約などを結べば対象地域に住む塾員リストを出してくれます。規約のひな型も用意されているし、組織強化やイベント開催など運営面での相談にも乗ってくれます」(地域三田会関係者)

縦に横につながって結束力を強める三田会。創設者の教えを守り、同窓会を強くする、これだけの「インフラ」が整っていると、年齢が上がるほどに「慶應愛」が強まることもうなずけるのではないか。現在の「慶應→三田会」コースは、「『慶應愛』自動再生産システム」といってもいいほどである。

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