ゴーン氏「同じ容疑で再逮捕」は問題ないのか 勾留は越年の可能性、長期化に海外から批判

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12月10日の東京地検の会見ではゴーン氏の勾留に質問が集中した。「年末年始にゴーン氏が釈放される可能性はあるのか」「官庁が年末年始の休暇中の間に釈放し新聞やテレビの記者には伝えるが、外国人特派員には伝えないというおそれはないのか」という質問に対し、久木元次席検事は「常識の範囲で行いたい」「適正に行いたい」と述べるにとどまった。

公判請求をされたことで、ゴーン氏は現在「起訴後勾留」の状態にあると同時に、再逮捕で「勾留請求前」の状態にある。

前者は検察が請求し裁判所に認められれば最大2カ月間、その後1カ月ずつ更新ができ、更新回数に制限はなく、裁判が終わるまで勾留できる。後者は再逮捕から48時間以内に検察が勾留請求をし、裁判所に認められれば10日間、延長が認められればさらに10日間、勾留される。再逮捕は12月10日のため、勾留開始は11日か12日。延長すれば12月30日〜31日が勾留期限となる。

「自白の強要はまったくない」

長期勾留への批判は特に海外メディアで根強い。「特捜部は自ら作ったストーリーによってゴーン氏を追及し、弁護士の同席のない場所でゴーン氏に自白を強要しているのではないか」との外国人記者の質問に対し、久木元次席検事は「ゴーンさん、ケリーさんの事案に沿って申し上げますが、いずれも適正に取り調べを行い、お二人の言い分に耳を傾け、さらに質問をするということをしている。検察のストーリーを押し付けたり、自白を強要したりすることはまったく行われていない」と明確に否定した。

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ゴーン氏の健康状態について聞かれると「拘置所の対応となるため、地検から詳細は申し上げられないが、拘置所において適切な対応をしていて、健康状態に問題があるとは聞いていない」と久木元次席検事は答えた。

起訴と再逮捕で年をまたぐ可能性が高くなったゴーン氏の勾留。日本の勾留のあり方に海外からの批判の声がますます強くなるかもしれない。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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