ゴーン氏「同じ容疑で再逮捕」は問題ないのか

勾留は越年の可能性、長期化に海外から批判

東京地検特捜部出身の郷原信郎弁護士は自身のブログで「この8年間にわたる覚書の作成は同一の意思で同一の目的で毎年繰り返されてきた行為なのであるから、仮に犯罪に当たるとしても包括一罪であり、全体が実質的に1つの犯罪と評価されるべきものだ。それを古い方の5年と直近の3年に分割して逮捕勾留を繰り返すというのは、同じ事実で重ねて逮捕・勾留することにほかならず、身柄拘束の手続きに重大な問題を生じる」と指摘している。

日産が2017年6月に開いた定時株主総会で一緒に登壇したカルロス・ゴーン氏(右)と西川廣人社長(左)(写真:日産自動車)

この直近3年については「そのうち直近2期は西川廣人社長も代表者であり責任は免れない」「有価証券報告書の提出者の西川社長がまず責任を問われるべきであり逮捕されないのはおかしい」という指摘がある。この件について久木元次席検事は「捜査に関わることなので答えられない」という。今後、ゴーン氏やケリー氏以外の日産の取締役や社員を逮捕するかどうかについても「答えられない」という。

日産自動車の捜査協力者は今回、検察と日本版司法取引をしたと報道されている。日本版司法取引では捜査協力者が逮捕されてもおかしくないのだが、「司法取引や合意制度を用いたかどうかは捜査の端緒に関わるので答えを差し控える。日産自動車、ゴーン氏、ケリー氏を起訴した。それ以外のことはない」と久木元次席検事は回答した。「起訴したのに発表していないことはないのか」と念をおされると「それはない」と久木元次席検事は明確に否定した。

特別背任での立件には再々逮捕が必要

役員報酬の虚偽記載容疑での逮捕は今回が初めてである。このことから虚偽記載での逮捕は別件逮捕で、特別背任などより悪質な罪を暴くための入り口だと見られてきた。

郷原弁護士は自身のブログで「特別背任等による再逮捕は事実上なくなった」と指摘している。東京地検特捜部の元検事としての経験から「逮捕容疑と同じ虚偽記載で再逮捕するのであれば、それで捜査が終了することがほぼ確定的になる」と述べている。この点について質問すると、久木元次席検事は「捜査に関わることなので答えは差し控える」とコメントを避けた。

特別背任で立件するには再々逮捕をするしかない。「再々逮捕はあるのか。海外から捜査当局に(ゴーン氏を釈放せよという)圧力はあるのか」との質問にも久木元次席検事は「捜査に関わることなので答えは差し控える」と繰り返した。

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