「ボヘミアン・ラプソディ」現象化への違和感 クイーンは愛すべき「変なバンド」だ

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またリーダー不在といえる民主的なバンドだったのも独特だった。フレディはフロントマンでありリーダーではなかった。フレディを「クイーンのリーダー」と紹介しているか否かは、それが好きな人によって作られた記事なのか、流れに乗って作られた便乗記事なのかを判断する1つの目安になる。

彼らの異端ぶりを象徴するのが外見だ。普通にいうところのロック的な「格好良さ」「美しさ」とは違う美意識があった。それはギャグすれすれでさえあった。

なぜ映画はここまでヒットしたのか

フロントマンがいわゆる美形ではなく異形だった。和服(女物)をはだけて着用。かの有名な全身タイツ。ブライアンのひらひら多めの服。フレディが口ひげを生やした時、日本にはしゃれか本気か「フレディのひげを剃らせる会」という団体がラジオ番組や雑誌に登場した(実在したのか?)。女王の王冠とガウン。ひげのあるまま女装。ライブ・エイドという大舞台なのに休日のお父さんみたいなフレディ――。

『ボヘミアン・ラプソディ』はもっとクスクスという笑い声と共に観られてもいいと思う。

この映画のヒットによりクイーンの知名度が再び上がり、ファンが増えるのはうれしい。しかし「今頃になってどうして?みんなそんなに好きだったっけ?」という気持ちもある。しかし、この映画はなぜここまで成功したのだろうか。いくつか理由を列挙してみたい。

・もともとクイーン自体の知名度がとても高かった。4人の顔と名前を当時のほとんどの10代は知っていただろう。しかもファースト・ネームのみで通じた。

・浮世離れした、考えてみれば映画化に適したキャラクターとストーリーを持っていた。『ミュージック・ライフ』誌関係者諸氏が指摘するように、少女漫画の主人公、そして倒錯したギャグ漫画の要素もあった。

・PRスタッフの作戦勝ち。しっかりとした公式ウェブサイトが作られ、少しずつ内容を明かしていく方法も巧みだった。公開の半年近く前からSNSでは予告動画が続々とシェアされ、似ている/似ていないの話題を伴い盛り上がっていた。

・彼らの音楽は途切れることなくお茶の間に流れている。これに関しては、最初にスターにしてくれた日本に対して、クイーン側の楽曲使用許諾が寛容だというすてきな追い風もある。

・当時のファンは50歳以上なので夫婦割(ペア割)を使って映画館へ行ける。

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