燃費トップ奪還へ!ホンダがトヨタに逆襲予告 「アクア」に抜かれたのは想定内

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燃費トップに返り咲いた、トヨタの「アクア」

大幅に方式を変更したトランスミッションの開発を担当したホンダのエンジニアは「ホンダとして初めて取り組んだ技術のため、余裕を持たせている。新システムの持つポテンシャルは大きく、燃費向上はこれから」と語る。

もっとも、燃費争いは数百メートルを刻む戦いになっているうえ、数値はお互いに標準装備を削って軽量化したカタログ低燃費専用モデルでのもの。もはや実用レベルでは意味のない違いを競う争いになっている。

無視できない「カタログ値トップ」の威力

にもかかわらず、ホンダが対抗意識を隠さないのは、低燃費ナンバーワンを旗印としたアクアの前に、先代のフィットがかなわなかったからだ。

ホンダでは、カタログ上の燃費数値では劣っていても、車内空間の広さや走行性能、価格などトータルの商品性で、フィットはアクアに善戦できると踏んでいた。ところが、結果は予想外の大差。その反省をもとに、新型フィット投入にあたっては低燃費ナンバーワンにこだわったのだ。

燃費だけのクルマはつまらない、と常々主張するホンダだが、さりとてカタログ値トップの威力は無視できない。低燃費ナンバーワンの座を巡るトヨタとホンダのデッドヒートはまだまだ続きそうだ。

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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