シンカリオン、「鉄」は見ないともったいない JR各社が協力、会社の枠越えた異例のアニメ

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中央はドクターイエローが変形したシンカリオン ©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・TBS

東洋経済オンラインの読者の皆さまは、アニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」をご覧になっているだろうか。

もしまだ見たことないなら、あえて言わせてもらおう。「もったいない」と!

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先日、シンカリオンとエヴァンゲリオンという2つのロボットアニメが融合した奇跡の神回について書かせていただいた(「シンカリオン×エヴァ『神回』誕生の秘密」)。しかし、である。思い起こしてみれば、このアニメがスタートした時、筆者周辺の鉄道系エンターテインメント関係者たちは「奇跡が起こった!」と大騒ぎしたものであった。シンカリオンそのものの成立の前に、立ちはだかる鉄道会社の「大人の事情」というものを、それこそ大人ゆえに肌で感じていたからである。

大人のぬるい想像をはるかに超えた「奇跡」

まずはJR各社の聖域とも言える新幹線を合体ロボット化したプラレールを発売しただけでも驚いた。次に列車の安全性を最も重視しているJRが、あろうことか新幹線型ロボットが武器を出して戦うアニメのリリースを許したことに、度肝を抜かれた。

それでも鉄道ファンはまだ甘く見ていた。きっとJR東日本の中だけでシンカリオンは完結するのだろうな、と。

しかし、そんなぬるい想像をはるかに超え、JR東日本はもとより、JR北海道、JR西日本、JR九州、そしてJR東海までをも巻き込んで全国でシンカリオンが戦う旅を実現してしまった。

そんな奇跡を起こした立役者がJR東日本グループの広告会社「ジェイアール東日本企画(jeki)」である。同社がプロデュースに参加していなければ、シンカリオンのプロジェクトそのものが成立することもなかっただろう。どのようにして奇跡を起こしたのか。「新幹線変形ロボ シンカリオン」にスタート時からかかわるjekiコンテンツビジネス局の鈴木寿広氏に話を伺った。

「シンカリオンが生まれるきっかけは、小学館集英社プロダクション(小プロ)といっしょに作ってきた『のりスタ!』というテレビ東京の番組です。番組中で新幹線が走る様子を流しているコーナーがあったのですが、なぜかそこだけが突出して人気が高かったんです」

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