食べかた上手だった日本人 魚柄仁之助著

食べかた上手だった日本人 魚柄仁之助著

1日に、ごはんが茶碗に2杯、サツマイモが2本、ジャガイモ3個、卵は10日に1個……。食料自給率40%の日本で国産のみの生活をすると、こうなると農林水産省は「完全自給食」を示す。では冷蔵庫がなく、国内でとれる食料で80%以上の自給率を保っていた1935(昭和10)年ごろの食生活はどんなものだったのか。

「昔の料理本を山のように集めた」食文化研究家の著者による本書によれば、「豚肉詰め筍(たけのこ)」「牛のスチゥ」「鰈(かれい)のムニエル」から「秋刀魚(さんま)の牛乳焼き」などバラエティに富むメニューが結構並ぶ。もちろん動物性タンパク質と油脂の摂取量はずっと少ない。ただし、こういう食べ方もあるという体験と知識は貴重だ。「この時代の食べ方を現代にとりいれれば、家畜飼料は大幅に減らせ、体重も減らせるかもしれない。食費はまちがいなく減らせる」。

加工度の低い素材を活かした、安上がりで安全な食生活が仮想体験できる。

岩波書店 1890円

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