迷惑度「急上昇」、満員電車の背負いリュック 9年で12位→3位、今や歩きスマホより問題に

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このアンケートでは、それぞれの迷惑行為の内訳についても質問を行っている。「荷物の持ち方・置き方」の内訳は以下のとおりだ。

関西の鉄道事業者20社は共同で今年3月、リュックサックのマナーを呼びかけるポスターを掲示した(写真:関西鉄道協会)

この内訳を見ると、荷物の持ち方や置き方のうち、もっとも迷惑に感じるのはリュックサックやショルダーバックの持ち方だということがわかる。こうした状況を受け、関西では今年3月に20の鉄道事業者が共同で「車内でのリュックサックは、前に抱えるか網棚の上に置くなど、他の方のご迷惑にならないようお願いします」というポスターを掲出した。首都圏では各鉄道会社がポスターやステッカーの掲示に加え、アナウンスにより、マナー向上に取り組んでいる。

「スマホ通話」の順位は減少

荷物の持ち方は過去9年間のランキングで順位を上げた例だが、逆に順位を下げた迷惑行為もいくつかある。「ヘッドホンからの音漏れ」は2009年には2位だったが、2017年は6位に下がった。また、「携帯電話・スマホの着信音や通話」も2009年の4位から2017年には7位に下がった。「車内での化粧」も2009年の6位から2017年には11位に下がっている。

これらの行為の順位が下がった理由について、民鉄協・総務広報部次長の日高義文氏は、「周囲への迷惑になっていることが認知されるようになってきた結果ではないか」と分析する。たとえば、携帯電話については東北、関東、甲信越の37の鉄道事業者が「車内ではマナーモードに設定のうえ、通話はご遠慮ください」という共通の案内を行っている。こうした取り組みが実を結んだともいえるだろう。

また、背中のリュックが他人に迷惑をかけていることは自分では気づきにくいが、ヘッドホンの音漏れや車内の化粧は周囲の目が気になって自粛するということがあるのかもしれない。

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