迷惑度「急上昇」、満員電車の背負いリュック 9年で12位→3位、今や歩きスマホより問題に

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2009年から2014年までは「混雑した車内へのベビーカーを伴った乗車」という項目があったが、2014年3月に国土交通省が電車内ではベビーカーを畳まなくてもよいというルールを定めたため迷惑行為とみなされなくなり、2015年以降はランキングから消えた。逆に2016年から「歩きながらの携帯電話・スマートフォンの操作」が項目に加わった。なお、痴漢や暴力は迷惑行為ではなく犯罪行為であるという理由からアンケートの項目には含まれていない。

9年間、不動の1位が「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」である。これについては鉄道各社が有効な手だてを講じることができていないのが実情だ。「そもそも会話をしている当人同士は自分たちの声が周囲の迷惑になっていることに気づいていないことが多い」(日高氏)。実際、「騒々しい会話」のレベルは車内の混雑状態によって変わってくるため、電車の乗務員も注意しにくい部分もあるようだ。

「座席の座り方」は毎年2位または3位と迷惑行為の上位に位置する。これも内訳を見てみよう。

座席対策の取り組みは不十分?

このように、座席を詰めて座らないという指摘が圧倒的に多い。ただし、「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」と異なり、座席については鉄道各社が対策を講じている。ロングシートの幅を少し長くして隣の乗客とぶつからないようにしたり、シートの色分け、仕切り、あるい座面にへこみを設けるバケットシート化など、区切りを設けたりするなどの例がある。

JR山手線の新型車両「E235系」のロングシートには座席分のへこみがある(撮影:尾形文繁)

最近では抜本的な改善策として、座ったときに足が前に出にくくなるシート形状を開発しているメーカーもある。ただ、古い車両からこうした車両への置き換えが進まないと、目に見えるような改善にはつながらないかもしれない。

民鉄協の2018年のアンケートは10月1日から11月30日までホームページ上で実施中。「アンケートを通じて何が迷惑行為なのかを認識し、自分が誰かに迷惑をかけていないかどうかを考えるきっかけになればありがたい」と日高氏は言う。アンケート結果は12月中旬に発表される予定だ。はたして「荷物の持ち方・置き方」の順位は現在よりも下がるだろうか。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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