バーバリーなき三陽商会、描けぬ「成長戦略」

宣伝強化やデジタル化の推進を打ち出すが…

三陽商会が展開する「マッキントッシュ フィロソフィー」。同社のブランドの中では比較的好調で、今年から雑貨も扱う新業態を駅ビルなどに出店している(記者撮影)

「デジタルの力も借りて、日本を代表するジャパンプレミアムファッションカンパニーを目指していく」――。三陽商会の岩田功社長はそう力を込めた。

10月30日に開かれた三陽商会の2018年12月期第3四半期の決算説明会。通常、同社は中間決算と本決算の発表日に説明会を開催するが、第3四半期に社長が説明の場に立つのは異例。このタイミングで説明会を開いたのは、中期経営計画で掲げていた今期の黒字化が困難になったことを受け、今後の成長戦略の具体策を示す必要があったからだ。

埋まらない”バーバリーロス”

主力ブランドであったバーバリーとのライセンス契約が2015年6月に終了して以降、三陽商会の業績は低迷が続く。今年7月に下方修正した今期の会社計画では、売上高605億円(前期比3.3%減)、営業損益は16億円の赤字(前期は19億円の赤字)と、3期連続の営業赤字に沈む見通し。売上高はバーバリーブランドを持っていた2014年度の半分程度に落ち込み、2017年2月に発表した中期計画で2018年度黒字化を目指していた会社の目算は大きく外れた。

2017年1月に就任した岩田社長はバーバリーなき後の成長の肝として、ネット通販(EC)と直営店の強化を挙げていた。が、まさにこの2つの事業の売り上げが想定を下回ったため、今期も赤字継続を余儀なくされている。

自社サイト「SANYO iStore」での売り上げが大部分を占めるECは、期初時点で前期比30%増の売上高を見込んだものの、今年1月~9月までの実績は6%弱の増収にとどまった。セール期の在庫を絞りすぎた結果、サイトへのアクセスはあっても「品切れ」ばかりで売り上げにつながらなかった。そもそも、主力ブランドの「マッキントッシュ」や「ポール・スチュアート」などの顧客獲得が進まない限り、ECの大幅な伸びも期待できない。

直営店では「マッキントッシュ フィロソフィー」の雑貨などを取りそろえる新業態を始めたり、百貨店を中心に出店してきたブランドを駅ビルに出店したりするなど、新たな取り組みを加速。だが、「駅ビルの顧客層に合った商品展開ができておらず、価格帯も百貨店向けとほとんど変わらない」(アパレル業界関係者)といった課題も大きく、想定した売り上げには至らなかった。

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