あっけなく貧困に落ちる日本人の危うい立場

新築の家、新車、大卒、資格は本当に必要か

鈴木:キラキラした何かを見せられ、大きな消費をした人たちが、いざというときの貯えを失い貧困リスクにさらされている。35年ローンでぎりぎりやっていくというようなプランに乗せられ、綱渡りみたいな人生を送っている。

「経済的に安心して新築住宅を買える家って日本人の何%なの?」「新車を買うべき家って日本人の何%なの?」と考えていくと、「官製貧困」とも言えると個人的には思っています。日本は新築住宅を国策として奨励してきました。不動産の取引数は、そもそも経済指標として語られてきたし、その成績を向上させるためにさまざまな規制緩和とか金融サービスが生まれてきたわけです。

阿部:それって、やはりずっと右肩上がりの経済成長を前提としてきた経済政策の問題ですよね。35年ローンを組んでもみんな払えると思っていた。35年間もずっと職があって、賃金もどんどん上がっていくって本当はすごいことなんですけど、以前は確かにそれで問題がなかった。しかし、そのままではやっぱりダメなわけで、私たちの消費パターンから何から何まで全部変えなければいけない。

ただ、どうかなあ。不動産業者には私もあんまり共感することないけど、新車を売ってる人たちとかまで悪者としていいのかどうか。あの方々は1台1台売って、そのマージン取っているわけですよね。売れなかったらジリ貧ですよね。そこで一所懸命売ろうとするという気持ちは否定できないんですけど。

夢と希望を見させて回収できないお金を投資させる

鈴木:不動産はバブル崩壊以降のほうが悪質でしたけどね。リーマンショック時に大はやりした任意売却業者なんかにサルベージされたローン破綻者なんか、ほとんどバブル以降の被害者ですよ。まあ、末端の人たちは悪くないのはわかります。

けど「その産業自体どうなの?」と思うわけです。教育産業で言うなら、たとえば専門学校や通信の資格教育なんか、相当に悪質だと思いませんか? 資格を売りつける、教育を売りつける。夢と希望を見させて、でもそれがその後の所得につながらない。回収できないお金を投資させるワケです。

阿部:となると、大学もそれに入ると思います。

鈴木:まさしく。いわゆるFランク大学もずいぶん取材しました。

阿部:奨学金借りてまで大学行かせても、その分を回収できるだけの教育投資にはなりませんもの。

鈴木:そうです。

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