「ターボエンジン」開発が映すホンダの危機感 高出力ながら低燃費を実現

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9月にホンダが発売した新型フィットでは、ハイブリッド車が8割を占めるなど、日本ではハイブリッド車抜きでは商売にならない。

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1.5リットルの試作車

しかし、燃費性能こそターボエンジンよりハイブリッドに軍配が上がるが、ハイブリッド車は価格が高く、燃料代節約でモトをとるのはまず無理。高速巡航が多い欧米では、日本よりもハイブリッド車のメリットは小さく、価格差にも敏感だ。結果としてハイブリッド車は、日本でのみ極端に普及するという状況になっている。

欧米ではもちろんのこと、今後の成長市場である新興国では、とりわけ低価格化が不可欠で、コスト高から逃れられないハイブリッドでは、勝負が難しい。世界展開を予定する新型フィットだが、ホンダ自身、「ハイブリッドは日本向け」(伊東孝紳社長)と言うように、海外でのハイブリッドの販売はあまり見込んでいない。

新興国攻略のカギに

現在、電動化に頼らない低燃費化技術では、直噴ターボが主流となっており、ホンダは欧州勢に先行を許している。長期的には電動化は不可欠と見るものの、グローバルに浸透しつつある直噴ターボエンジンでの大幅な立ち後れは、競争力の低下につながりかねないと判断し、新型エンジンを投入したというわけだ。

ホンダでは出遅れていた新興国での拡販を今後の成長の柱に据える。今回発表した直噴ターボエンジン、とりわけ、燃費向上を狙った1.5リットル、1リットルの2つのエンジンは、新興国攻略のカギを握りそうだ。

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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