自分の中では「普通」
基本は自分のスタイルを持ちながら、状況によっては相手の間合いを外そうと試みる。臨機応変に技を使い分けられるからこそ、小川は調子の悪いときでもチームに勝利をもたらすことができるのだろう。
そうした取り組みを1年間続けたことで、自身を成長させることができた。
「調子が悪くても1試合投げなくてはいけないことで、気持ちがタフになりました。気持ちでカバーするのが大事だと学びましたね。バッターを抑えるために、必要なことがいくつかわかりました。それをひとつひとつ引き出して、悪くても悪いなりに投げられればいい」
結果、セ・リーグの誰より勝利数を積み重ねた。だが、小川はまだまだ貪欲だ。9月28日、登板前日の囲み取材で15勝を挙げたことへの自己評価を聞かれたときの答えに、小川の勝てるメンタルが凝縮されていた。
「周りから『すごい』と言われるし、先輩からもそう言われます。でも、自分の中では『普通』と捉えていますね。『すごいな』、ではないです。また来年もやって来ます。いい意味で、15勝したのは過去のことと捉えてやっていきたい。今年は今年で頑張りました。来年も頑張ろうという感じですね」
プロで長く活躍する大ベテランほど、貪欲さを持ち続けているものだ。まだまだ勝ちたいから、積み上げてきた成績を過去のものと捉える。自身を客観視し、現状と課題を冷静に分析する。
新人にして大ベテランのように勝てる要素を備えている小川は、2年目以降も無数の勝ち星を積み上げていくはずだ。
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