ツイッターIPOの影に「経済格差」あり

サンフランシスコで深まる対立

ツイッターへの優遇税制措置

ツイッターが本社を移したのは、以前はさびれていた市庁舎に近い地区。同社は本社移転前に市から優遇税制措置を受けている。

この措置は1.5%の給与税支払いを免除するという内容で、ツイッターは同措置が取られなければサンフランシスコを離れるとしていた。市当局に当時提出された報告書によると、給与税免除による市の損失額は2200万ドルと推計された。

カリフォルニア大学バークレー校のエンリコ・モレッティ氏は「市の歳入に対するツイッター優遇税制の効果は、全体的にみればポジティブだ」と指摘。同氏によると、サンフランシスコでツイッターのようなIT企業に1人雇用されれば、それに付随して警備員や教師などの職種で5人の雇用が創出できるという。

1999年の再来か

サンフランシスコをめぐる現在の状況は、小規模のウェブ関連企業が相次いで登場した1990年代末を連想させる。ただ当時は、大手IT企業やベンチャー・キャピタリストなどは、大半が郊外にあるシリコンバレーに拠点を設けていた。

ツイッターがサンフランシスコに本社を移した現在、状況は変化している。2億3000万人のユーザーを持つ同社は、IPOで18億ドルを調達。このほか、ウーバーやエアビーアンドビー、スクエアなど注目を集める新興企業もサンフランシスコを拠点としている。

また、米ヤフーのメイヤー最高経営責任者(CEO)は、サンフランシスコにある居住施設兼ホテル「フォーシーズンズ」のペントハウスに住み、米フェイスブックのザッカーバーグCEOは同市の住宅を1000万ドルで購入した。

グーグルやフェイスブック、アップル、リンクトインなどの大手IT企業は、サンフランシスコとシリコンバレーをつなぐ自社バスを運行しており、若い技術者の多くは都市部に住むことを好むという。

こうした状況を快く思わない市民もおり、市内のバス停には「(グーグルの本社があるシリコンバレーの)マウンテンビューに留まれ」との落書きも目に付く。

過去にサンフランシスコ市長選に立候補したマット・ゴンザレス氏は「(住民の間で)対立意識がある」と指摘。同市に移り住む技術者などは、必ずしも市の活動に参加しなかったり、地域社会に関心を持っていないと述べた。

サンフランシスコ大学のコリー・クック准教授は、クラウドコンピューティング大手セールスフォース・ドット・コムのベニオフCEOが3年前に小児病院に1億ドル寄付したように、IT企業は住宅施設への支援提供や地元機関への寄付などを通じてイメージを改善すべきだと提言している。

(Sarah McBride記者 Alexei Oreskovic記者、翻訳:本田ももこ、編集:宮井伸明)

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