ツイッターIPOの影に「経済格差」あり サンフランシスコで深まる対立

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11月7日、米ツイッターがニューヨーク証券取引所への株式上場を果たした日の朝、同社の本社前に集まったデモ参加者(2013年 ロイター/Robert Galbraith)

[サンフランシスコ 7日 ロイター] -短文投稿サイト運営大手の米ツイッターは7日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に株式を上場し、初日の取引は新規株式公開(IPO)価格を73%上回る水準で終了。同社が本社を構えるサンフランシスコが、シリコンバレーに匹敵するIT企業の拠点になりつつあることを象徴するイベントとなった。

しかしその一方で、サンフランシスコがITマネーに乗っ取られるつつあると感じる地域社会の活動家や中産階級の市民も少なくない。

ツイッターが上場を果たした日の朝、同社の本社前にはデモ参加者が集まった。そのうちの1人でソーシャルワーカーのジェームズ・チオンシニさんは、サンフランシスコが「退屈で不毛な」都市に変貌しつつあると不満を口にした。

ビクトリア様式の住宅や急勾配の坂、カウンターカルチャーの中心地として知られ、約82万6000人が住むサンフランシスコ。裕福な人口が流入し、それまで衰退していた地区が再生する「ジェントリフィケーション」は今に始まったことではない。1990年代末に「ドット・コム・ブーム」が起きた時も、市内では緊張が高まった。

サンフランシスコが抱える問題を喜んで受け入れる都市も多いだろう。同市は現在、過去に例を見ないほどの好況で、市内には店舗やレストランが立ち並ぶ。ミルケン・インスティチュートによると、1人当たりの所得は7万4349ドル(約740万円)と、カリフォルニア州の平均4万3647ドルを大きく上回る。

しかし、これらの「繁栄」を示す要素は、ITブームから取り残された人たちが直面する困難を覆い隠しているとの指摘もある。

ベイエリア・カウンシルによると、IT系の仕事のほとんどが含まれる専門職や技術関連職での収入は昨年に17%増加したが、小売り分野などはわずか1%の増加にとどまり、保健や教育は横ばい、非営利団体は9%の減少となった。

また、オンラインの不動産会社トゥルーリアによれば、サンフランシスコでの2ベッドルームのアパートの家賃は昨年10%上昇し、中央値は3250ドルとなった。ニューヨークでの家賃の上昇率は同2.8%だったという。

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